申請不備・変更漏れに要注意!太陽光発電所の購入・売却時の名義変更

太陽光発電投資の名義変更

2000万円以上の買い物で実際にお金を振り込むまさにその瞬間。あなたはどんなことを考えるでしょうか?

私の場合は「お金を振り込んだのに騙されたりしやしないだろうか?本当に私名義の発電所に成るんだろうか?」というものでした。

私の場合、太陽光発電ん業者と信頼関係があり相手は自分を裏切らないという確信がありました。
それでも一瞬頭をよぎってしまいます。 

固定価格買取制度は権利が重要になってくるビジネスモデルです。
権利ビジネスですので太陽光発電では名義と言うものがたくさん出てきます。

タイミングが重要になってくる超重要な名義変更。
後からでも行える重要な名義変更。
この記事ではそれぞれを詳しく説明していきます。

太陽光発電投資の勉強をこれから始める方も、今まさに分譲物件を購入しようとされている方も、これから売却して利益を確定させようとしている方も皆さんにとってとても重要な情報です。

しっかりと理解してトラブルを回避し、未着手のものがあればすぐに確認してみましょう。

1 太陽光発電の名義(変更)の種類

分譲の発電所を購入するときや、中古の発電所を購入するときに必要になる名義変更。
太陽光発電は権利と名義の塊なのでたくさんの種類の名義があります。

主なものをまとめてみましたのでまず把握してみましょう。

太陽光発電の名義変更種別

どれも重要なのですが最初の3つは特に重要です。そもそもこれらの名義変更が適切に行われないと売電価格が変更になってしまったり、売電自体が出来なかったりする可能性が高いです。また、土地の登記簿に余計な担保設定や地上権設定がなされていると銀行融資がつかない可能性が極めて高くなります。

20年の事業を行う上で、土地の名義や契約が安定していることは大前提なのです。
次の章ではそれぞれの重要項目ごとにポイントを解説していきます。

2 <極めて重要>特に重要な事業認定・設備認定と売電契約

全量買い取り制度は経済産業省が「認定」した売電設備を電力会社が20年間固定価格で買い取る事業です。

当然ながらこの経済産業省の認定と電力会社の売電契約が肝になります。

まずはこの2つをじっくり見ていきましょう。

2-1 面倒で時間がかかる経済産業省の事業認定の変更手続き

事業認定(旧設備認定)は全量買い取り制度の最も基本的な名義です。
この認定を元に電力会社が20年の全量買い取りの契約を実施してくれます。

2-1-1 <実際の変更手続き>

事業認定の名義変更には添付書類として

  • 新旧オーナーの印鑑証明
  • 新旧オーナーの戸籍抄本(法人の場合全部事項証明書)
  • 新旧オーナー間の譲渡証明書(契約書でも可)

が必要になります。
これらの添付書類を添えて「なっとく再生可能エネルギーの電子申請」より申請しますが、この申請は元々の認定の申請者が行うのが一番スムーズです。

元のオーナーが申請している場合は元のオーナーが、元のオーナーが業者に依頼していればその業者に依頼する形が基本になります。
それが出来ない場合は委任状を添えた上での紙による申請になります。
この変更手続きには変更依頼をかけてから完了するまで3ヶ月から4ヶ月程度かかります。

電力会社は今認定が完了せずとも「認定変更依頼をかけてましたよ」というシステムの画面コピーで売電を開始してくれます。
しかし、金融機関によっては「電力会社が売電を認めても、経済産業省の名義変更が完全に終わるまで融資は実行しない」という判断をする場合があります。

これで、3〜4ヶ月の業者への支払いスケジュールが変わってしまう場合がありますのでこの点はあらかじめ確認しておきましょう。

(注) 電力会社は名義変更が完了していなくても名義変更依頼をかけた段階で名義変更に応じてくれます。

2-2 とてもスムーズに進む電力会社との売電契約名義変更

経済産業省の認定をベースに各電力会社が20年間の売電契約を結んでくれるのが固定価格買取制度です。

この売電契約の名義変更も当然重要な名義変更です。

いくら経済産業省の認定の名義を変えても、肝心の電力会社の名義を変えないと売電口座を変えることはできません。

2-2-1 <実際の変更手続き>

電力会社の売電契約名義変更は案外スムーズに進みます。
細かい対応は各電力会社によって異なりますが、まずは発電所のある支店に電話してみるのが一番簡単です。

・今の発電所の電力会社お客様番号
・今の発電所のオーナー情報
・発電所住所
・新オーナーの個人情報

この辺をまとめておくと電力会社との話し合いはスムーズに進みます。

電力会社によっては「契約の名義変更」を行うよりも「新規の売電契約」をした方が契約が簡単だと言ってくることがあります。
新規の売電契約をすると売電単価が現在の単価になってしまうことが理論的にはあり得るのでその点だけはきっちりと確認しておきましょう。
電力会社の契約は実際は売電契約と接続同意(単価の確定)に分かれており、新規に売電契約を結んでも売電単価が変わらない形になっています。

2-3 これから新たに経産省の事業認定と電力会社の契約を取る場合

新たに認定と売電契約を取る場合、自分で行うこともできますが代行業者に依頼をすることもできます。

>> 発電ムラ 申請代行
>> 自分で行う場合 なっとく再生可能エネルギー

今年に入り経済産業省の認定システムの変更があり、認定までの時間が大幅に伸びています。
以前は1〜2ヶ月で認定が降りていましたが、今では3〜4ヶ月と言われています

必要な添付書類も増えており、手間もかかるようになってしまいました。
余裕を持って認定申請を行なっていきましょう。

3 <極めて重要>注意が必要な土地の契約

20年の事業ですので土地の契約が安定していることはとても重要です。
土地は買い取りの場合と賃貸の場合がありますが、それぞれ危険性があるポイントが違いますので紹介しておきます。

3−1 土地を買い取る場合

太陽光発電用地を購入して太陽光発電投資を行うというのはもっとも投資効率が高いパターンです。
しかし、実際は初期の購入費の捻出や買った土地に本当に発電所を立てられない場合が有るなどリスクもあります。

可能性と危険性は表裏一体ですので下記の項目には特に注意が必要です。

3-1-1 登記簿に注意

買い取りでも賃借でも共通する注意点ですが、まずは法務局で登記に余計な記載項目がないかしっかりとチェックしておきましょう。

気をつけなければいけないのは抵当権設定や賃借権設定、地上権設定などです

登記簿の設定は民法の契約書よりも拘束力が強いのでいくら契約書で「土地の売買をする」と契約しても地上権が他人のものになっていた場合、発電所を立てた後で訴えられてしまうことになりかねません。

余計な登記設定がないことを確認すればいいだけですから、法務局のデータでしっかりと確認しておきましょう。

3-1-2 名義変更のタイミング 売電単価を確実に確保してからがベスト

土地売買契約のタイミング

太陽光発電投資は権利ビジネスです。売電単価は毎年下がっていきますから、何円の売電単価を取得しているかで利益が大きく変わってきます。

電力会社と経産省に申し込んでから単価が確定するまでには3ヶ月〜4ヶ月の時差があります。

例えば申し込んでから電力会社から連系負担金の回答が来ます。

この金額は5万円〜70万円くらいのことが多いのですが、場合によってはもっと高額になってくることがあります。

案件として成り立たなくなる場合もありますし、電力や経産省の回答が遅くなると売電単価が変わってしまう可能性があります。

土地の契約には「契約時に1割の頭金を支払い、残金の支払いは今年の売電単価が取れた場合に支払う。残金の支払いを持って契約が完了し、契約に至らなかった場合頭金は変換される。」などの停止条件をつけておくことが望ましいです。

3-1-3 農地の名義変更には要注意

農地を農業以外の目的で使用する場合、農業委員会から「農地転用許可」を取る必要があります。
農業委員会の許可が得られない場合は太陽光発電投資には使用できません。

この場合も停止条件は必須です。

3-2 土地を借りる場合

では土地を買わない方がリスクがないのかというと一概にそうとも言えません。

土地を借りるということは地主さんや契約期間の影響を受けてしまうということなのです。

3-2-1 登記簿に注意 詐欺やトラブルの温床

土地を買い取る時と同様、まずは法務局で登記簿をチェックしてみましょう。その土地に余計な担保設定や地上権設定がなされていないかチェックしましょう。

繰り返しになりますが、登記や地上権で余計な条項が付いていた場合は本当にトラブルの温床になります。

確認すれば100%安全ということはありませんが、95%は防げます。

3-2-2 契約開始日に注意 契約期間の最長は20年

借地借家法という法律があり、一般の借家は21年以上の賃借契約が可能です。しかし建物ではなく人がすまない太陽光発電の場合20年以上の賃借契約はできないという民法上の制限があります。

つまり太陽光発電の賃借契約は最長20年なのです。

全量買い取り制度が20年なので一見問題ないように見えますが、工事期間や撤去期間を考えておく必要があります。

例えば契約日と契約開始日を別に設定しておき、契約日=印鑑を押した日 契約開始日=売電開始日としておく工夫が必要です。

売電終了後に発電施設の撤去を開始できるような猶予期間も用意しておく必要があります。

4 後々のトラブルを回避するためにしっかりとやっておきたい名義変更

2章と3章ではそもそもの売電契約が成り立たなくなることを防ぐための名義変更を紹介しました。

この4章では20年の発電事業を安定的に行うための名義変更について紹介します。

4-1 発電所自体の名義 (償却資産の届出とセット)

これは動産としての発電所を誰が持っているかという名義です。

新築の分譲案件では販売元との施工元請け契約書や売買契約所、中古であれば元オーナーとの売買契約書がそれにあたります。

売買契約書には「工事保証期間」や「瑕疵担保責任」がきちんと書かれているかどうかを確認しましょう。

この契約書にサインをしてお金を支払うと、太陽光発電書の設備は契約者のものになります。
太陽光発電設備には償却資産として資産価値がありますから償却資産税が発生します。
年末までに自治体に報告し、翌年から償却資産税を支払う形になります。

償却資産税は資産価値の1.4%程度です。

2000万円の発電所では30万円程度になります。

4-2 メンテナンス契約名義

こちらの名義変更は売り出し元の業者や元オーナーが委託していたメンテナンス業者と結ぶ形になります。
メンテナンス契約の中身をしっかりと確認しておく必要があります。

何かがあった時の駆けつけ対応や除草業務の有無、改正FIT法の年次点検の有無などが主なチェックポイントです。

改正FIT法の年次点検を怠っていると最悪の場合認定が取り消されることもあります。多少の費用がかかっても適切な定期点検をしておくことをお勧めします。

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改正FIT法とは

  • 平成29年4月より固定価格買取制度の法律改正がありました。(改正FIT法)太陽光発電所は機関電源としてきちんとした管理が義務付けられるようになりました。
    メンテナンスガイドラインが定められており、所有者は定期点検と点検記録の保持をしていく必要があります。

 

4-3 保証書名義 中古物件の場合特に注意

意外と忘れがちなのがパネルメーカーパワコンメーカーの保証書の名義変更です。
最近主流の海外メーカーの場合、パネルについているシリアルナンバーで保証に応じてくれるケースが多いようです。(各メーカーに確認してください)

一方、固定価格買取制度以前から家庭用をベースに展開してきた国内メーカーでは家電メーカーのように「保証書」を発行して保証体制を作っているケースが多くあります。

この場合保証書の名義を変更する必要がありますので販売元によく確認する必要があります。
20年〜30年の保証になりますし、金融機関もとても重視する内容です。

ここは時間をかけてでもしっかりとやっておきましょう。

4-4 保険の名義

保険の場合、新規分譲案件・中古売買に関わらず名義変更というよりは新規契約となる場合が多いです。
買ったその瞬間から故障による売電停止のリスクが発生します。その間も金融機関への支払いは続いていきますので資金繰りのリスクがある状況です。

発電所の規模に見合った火災保険への加入をお勧めいたします。

>>その保険本当に必要?太陽光発電の保険・保証がすべてわかる

5 太陽光発電所のオーナーが売却する前に確認しておくこと

 逆に太陽光発電所を売却する場合はどうでしょうか?

 売却価格を適切に設定し、新オーナーが「良い発電所を買ったな」と満足できるような状況であれば売却はスムーズに進みます。しかしそうでない場合、なかなか買い手がつかないということになってしまいます。

5-1 事業認定と売電契約書の確認をする

売却をするには事業認定の名義を変更する必要があります。

もし自分で認定手続きを進めていた場合は、名義変更も自分でする必要があります。

逆に申請を業者がやっていたような場合であれば、まずはその業者に一度連絡を取ってみる必要があります。担当者が変更になっている場合もあるでしょうし、最悪の場合業者が倒産している可能性もあります。

その場合は紙ベースでの手続きで「申請代行センター」に変更認定申請等形で進める必要があります。

>> なっとく再生可能エネルギー 変更認定申請の紙申請

電力会社の認定変更は必要な作業ですが、電話一本で必要書類をもらえますので大きな心配は無用です。

5-2 完成時の完成図書(ストリングマップや保証書)を確認する

売却する為にはこちらは必須です。

パネル・パワコンの保証書、架台の構造計算書、図面(架台図面、パネルのレイアウト図面、パネルのつなぎ方を図にしたストリングマップ・単線結線図など)、土地の契約関連書面などを確認しておきましょう。

5-3 健全性を確認し、メンテナンス履歴を用意する

発電所の金額設定に直接かかわってくる大事な部分ですが意外と軽視されがちなのがこの健全性の確認とメンテナンス記録の有無です。

売電金額の履歴があればその後のキャッシュフローが見えますから、ここを基準に値段をつけることができます。しかしそれは現時点で発電所が健全であることが前提です。

例えば冬の日照の悪い間にパネルに異常が出た場合、売電金額からではパネル異常はわかりません。肝心の日射の良いシーズンになっても売電金額がなかなか上がってこないなんてことになりかねません。

すべてのパネルが健全であることは専用の検査機器を使って検査することができます。

この検査の記録をつけておきましょう。
メンテナンス契約をしている業者があれば、そちらに依頼します。

もしメンテナンス契約をしていないのであれば、自分でメンテナンス履歴を作る必要があります。

>> 太陽光発電ムラ市場 メンテナンス機器レンタル

こちらの太陽光発電ムラ市場ではメンテナンス機器のレンタルをしています。

パワコンの種類によっては電気工事士の資格が必要になる場合もありますので、その際は施工業者に連絡をして検査を実施してもらう必要があります。

5−4 メンテナンス契約や監視装置、保険の解約手続き

メンテナンス契約をしている場合、その契約の解除や名義変更が必要になります。
同様に監視装置の通信費や保険も解約もしくは名義変更が必要になります。

5-5 売却利益は課税対象扱いになります

発電所を売却した場合、売却益は課税対象になります。
具体的には発電所の簿価(購入費用から減価償却費を月割りで差し引いた残高)と売却金額の差額が売却益となり、課税所得になります。

一括償却をした設備の売却は要注意

  • 簿価がゼロなので売却益のほぼ全てが課税所得になります。
  • 通常通り減価償却していれば特別大きな売却益にはなりませんが、一括償却したものは一気に大きな利益が出てします。
  • 数千万クラスの売却益が出てしまう場合もありますのでご注意ください。

5−6 償却資産の名義変更の手順

償却資産の名義変更は自治体に対して行います。
発電所などの償却資産を新たに習得した場合、1月31日までに取得した資産を自治体に申請する形になります。

発電所を売却した場合も同様に自治体に申請する必要があります。

まとめ

  • 太陽光発電の名義には多くの種類がある
  • 中でも経産省の事業認定、電力会社との売電契約、土地の登記簿は極めて重要である
  • 他にも複数の名義があるが、長期間の事業をトラブルなく運営するためにすべての名義を管理する必要がある

事業認定(経産省)売電申し込み(電力会社)への申請 代行いたします

 

経済産業省への事業計画の提出とその認定の取得、電力会社への売電の申し込み。
いずれも売電単価を確定させるためにとても重要であるとともに、ある程度専門的にな知識が必要になってきます。

3ヶ月から4ヶ月かかる経済産業省への申請作業。
何かわから無いことがあって窓口となるJPEA申請代行センターに電話しようにも一向につながら無いことで有名です。

結局マニュアルを読みながら手探りで申請をする方が多いと思いますが、1つ申請添付資料に間違いがあっただけで「不備のお知らせ」というメールが3ヶ月後に届くのはとても虚しい気分になります。

そんな面倒な申請業務は太陽光発電ムラ市場で「申請代行サービス」として引き受けています。

お気軽にお問い合わせください。