
できるだけ設置費用を下げて、利回りを上げたいな・・・
下げるにはどうすればいいんだろう?またどこまで下がるんだろう?
わかります!投資ですから、設置費用を下げて、利回りを上げたいですね。
太陽光発電投資をされている方の多くは、同じように考えておられます。
そして、売電価格が18円まで下がり、利益を上げるために、設置費用を下げる必要がでてきました。
2012年に比べ、太陽光発電の部材価格も下がってきているため、18円の時代でも利益を確保することは可能です。
とことん費用を下げようと思えば、下げることは可能です。よくわからないメーカーのパネルや、風圧で飛んでしまいそうな架台を使用、単管パイプで架台をくみ上げるなど、いろいろと方法はあります。しかし、それには大きなリスクが伴ってしまいます。
今回の記事では、現在の設置費用の相場についてお話し、設置費用を下げる方法をお教えいたします。
しかし、値引きには限度があります。費用を下げることだけにこだわり、究極的に費用を下げてしまった場合、どんなリスクがあるかについてお伝えします。
また、18円時代におススメの過積載セットについてもご紹介していきます。
これから、太陽光発電投資をしようとお考えの方は、この記事を読んで、検討してみてみましょう!
目次
1 太陽光発電システムの設置費用について
太陽光発電所を設置するための費用は、実際いくらくらいかかるか見ていきましょう。
2012年からの費用の推移も含めて説明していきます。
1-1 設置費用は2012年より設置費用が29.9%も下がっている
●2012年からの設置費用の推移
個人投資家の方が、設置をされるいわゆる、低圧太陽光発電(50kW未満)の推移をみると、紫の線がその推移になります。赤の全体の線と重なっていて少し見づらいですが、2012年は1kWあたりの設置費用が、42.6万円だったのに対し。2017年は、1kWあたりの設置費用が30万円ほどになりました。
49.5kWの発電所の場合
2012年 → 2,108万円(49.5×42.6万円)
2017年 → 1,485万円(49.5×30万円)
こちらのグラフは、売電の単価を決定している「調達価格算定委員会」による資料で、費用は全体の中央値になります。
http://www.meti.go.jp/committee/gizi_0000015.html
2012年に比べ、29.9%も設置費用が安くなってきていて、設置するためのハードルが下がってきています。
1-2 設置するために必要な部材と工事に関する費用とは?
それでは、設置するために必要な部材と工事内容についてみてみましょう。
【部材】
・太陽光パネル
・パワーコンディショナー
・遠隔監視装置
・ケーブル類
・架台
【工事】
・架台設置工事
・電気配線工事
これらの部材と工事費を含んだ費用(1,485万円)がかかります。
ただし、こちらの費用には、土地の費用や、整地費用は含まれていません。
●部材価格
私たちが運営している、太陽光発電ムラ市場を参考に費用を見てみましょう。
https://ichiba.solar-club.jp/products/list.php?category_id=24
・92.16kWの小さな過積載セット(参考価格 800万円(税抜))
遠隔監視装置はついていませんが、費用は「800万円~1,100万円」ほどです。監視装置をつけても、+20万~40万円ほどです。
太陽光パネルの選択によって価格は大きく変わってきます。ある程度信頼できるパネルで価格も抑えられる物を選択する必要があります。
●工事費
工事費は、太陽光パネルの枚数によってことなります。太陽光パネルの枚数が多くなるほど、費用も高くなっていくということです。
工事費用は、だいたいですが、1kW 4万~4.5万円(税抜)です。
先ほどの、92.16kWセットの場合の工事費用は、368万円~414万円という費用になります。
全体として、800+368 = 1,168万円(税抜)
選択によっては、先ほどの設置費用中央値1,485万円より抑えることは十分に可能です。
太陽光パネル、パワコンの組み合わせによって部材価格は大きく変わりますので、ご自分の予算、希望にあった組み合わせを見つけましょう!
1-3 流通経路による費用の違い
部材業者や施工業者によって仕入の流通経路が異なります。流通経路によって費用というのは、変わってくるものです。
例えば以下の流通経路があったとします。
- メーカー → 商社 → 販売 → お客様
- メーカー → 販売 → お客様
- メーカー → お客様
- メーカー → 商社 → 販売 → お客様
間に多くの業者が仲介している場合は、当たり前ですが、単価が高くなります。
- メーカー → 販売 → お客様
メーカーから直接仕入れることができる業者は、単価を抑えることができます。
- メーカー → お客様
部材の仕入は、部材販売業者や施工業者に任せることをお勧めいたします。
メーカーから直接仕入れる場合、安くなるというメリットもありますが、お客様が直接仕入れる場合はリスクもあります。
直接メーカーから仕入れ、ご自分で太陽光発電所を設置するお客様もいらっしゃいます。
つい先日ですが、中国メーカーから直接仕入れ、お金も支払われたそうですが、その後そのメーカーが潰れてしまい現地まで行って債権回収をしてきたという話を聞きました。
そのようなリスクを避けるためにも、部材の仕入は、部材販売業者や施工業者に任せることをお勧めいたします。
2 設置費用を安くする方法
2-1 分離発注で安くなる
- 分離発注とは
部材、施工を依頼する場合2種類の方式があります。
それは、一括発注と分離発注です。
分離発注とは、部材販売業者から部材を購入し、施工だけを、施工業者に依頼するという方式です。
一括発注とは施工業者が、部材、施工をまとめて一括で引き受けてくれる方式です。
- なぜ安くすることができるか
一括発注の場合、部材にはもちろんですが施工業者の利益が乗ります。
それでは、発注者側が価格のコントロールできなくなってしまいます。
分離発注の場合、発注者側で部材業者を探して安く仕入れることができるように交渉することができます。
そして、施工業者に施工のみ依頼することで設置費用を抑えることができます。
大抵の部材業者は施工業者とも付き合いがあるので紹介してもらうことができます。
この場合、施工業者の営業コストが下がるのでその分の費用を、施工費に還元しやすくなります。
- 分離発注で注意するポイント
荷受けや、施工の案件管理をご自分で行う必要があるので、分譲販売や一括発注に比べ自己の負う責任は大きくなります。また、発注者側にある程度の知識が必要となってきます。
- 知識がないと、グレードの落ちる品物をつかまされたりする場合があるので気を付けましょう。
わからないことがあれば、業者に質問して確認することで、業者の対応が親切かどうか確認できます。そして知識も身につけることができますので、どんどん質問しましょう!
- 分離発注で安くするポイント
WEBで部材を販売している業者は複数います。まずは、その様な業者から見積をとってみてください
1社だけではなく複数から、見積をとりましょう!そうすることで、見積の比較ができます。
その中から、いいと思った業者に施工業者を紹介してもらいましょう!
- 分離発注で施工業者に依頼する時のポイント
施工はいざという時に駆けつけてもらえる方が安心です。設置場所に近い地元の業者を探すことをお勧めいたします。
「分離発注で安くするポイント」でだいたいの施工価格が分かりますので、それを元に地元の業者と交渉をしてみてください。
今は便利な時代になって、地元の業者もインターネットで検索すればすぐに出てきます。
ぜひ、インターネットで調べて見積もりを依頼しましょう!
2-2 相見積
- 相見積とは
部材費、施工費とも1業者だけではなく、複数業者からもらうことを相見積といいます。
- なぜ安くすることができるか
分離発注で設置費用を安くすることができますが、複数業者から相見積をもらうことで、費用の相場がわかってきます。また、他社からもらった見積もりを元に、複数業者に価格交渉することが可能となり、交渉の結果費用を安くすることができます。
- 価格交渉のポイント
見積依頼や電話をした際の応対がいい業者がいた場合、その業者に頼みたいと思います。
でもその業者が施工費、部材費が他と比べるとちょっと高いなと感じた場合、複数の業者からもらった、見積をその業者に渡せば、対応がいい業者の場合、必ず価格交渉に応じてくれます。
複数から見積をとり、その見積を元に価格交渉をしましょう!
2-3 部材の共同購入
- 共同購入とは
太陽光発電所の設置をお考えの友人や知人を見つけ、一緒に部材を購入することです。
- なぜ安くすることができるか
個人で購入する場合、50kW以下の低圧発電所の場合、部材の量をそれほど多くなりません。友人や知人と共同に購入することで、部材の量が増え、部材業者側がメーカー、商社と価格交渉しやすくなります。
その結果、部材費用を安くすることができます。
また、発注者側からも、部材業者に対して、これだけの量を購入するので価格を安くしてほしいと交渉しやすくなります。
- 共同購入のポイント
太陽光発電所の設置をお考えの方が周りにいない方がほとんどだと思います。その様な場合、共同で購入してくれる方を探すのは、非常に大変なことです。
その様な方の為に、SNSやインターネットで太陽光発電に興味のある方が、コミュニティーを作っておられます。
コミュニティーに入って、オンライン、オフラインで情報を交換して仲良くなり、共同購入してもらえる方を探しましょう!
2-4 ただ安いだけではだめ、業者の見分け方
安くするための方法を、書いてきましたが、ただ安いだけでは、完成後見てみたら、架台の組立方がいい加減で、ちょっとした振動で架台が倒れてしまった。完成前にお金をすべて払った後、業者が倒産してしまったなどという話も聞きますので、こちらの記事を読んで業者の見分け方を参考にしてみてください。
3 部材、工事費を究極に安くしてしまったらどんなリスクがあるのだろう?
部材費用と工事費をできるだけ安くして、利益と利回りを上げたいとお考えの方が多いです。
太陽光パネルも、メーカーさえ選ばなければ、とことん安いパネルもあります。
しかしそうした際に、どのようなリスクがあるか考えてみましょう。
3-1 部材の費用を極端に下げてしまった時のリスク
太陽光パネルもメーカーを選ばなければW単価30円台のパネルも存在します。
しかし20年間、そちらのパネルを使用しようとした際、いつ壊れるか、保証が20年ついていてもメーカー20年後も存在するかという問題があります。
ただ、費用を下げようとした際にはそのようなリスクが伴います。
最近、パワコンメーカーの田淵電機がADRという債権放棄交渉を銀行に持ちかけました
今後、おそらくパワコンの価格を下げてくることが予想されます。
しかし、20年の保証を考えた時に、ちょっと不安になりますね。
部材費用を究極的に下げてしまった場合の最大のリスクは、20年間保証があり、売電を続けることができるかということです。
費用だけにこだわっていては、この点を見落としてしまいそうなので気をつけましょう!
3-2 工事費の費用を極端に下げてしまった時のリスク
すべて自分で工事できれば、費用を抑えることは可能です。しかし、電気工事の箇所は資格がないとできる作業ではないです。
そこで、よくある相談として「パネルの設置と配線までは自分でします。その後電気工事士の必要なパワコン、分電盤の箇所を電気工事屋さんにお願いしたい。」というお話です。
電気工事屋さんにこのような依頼があったということをお話ししますが、その時に必ず出てくるのが、責任はどちらになるか?ということです。
売電開始後、なんらかの不具合が見つかった場合、それはどちらの工事が原因で不具合になったかということが分かりにくいということになります。
このような問題もあるので、電気工事屋さんは、このような一部だけ請け負う工事は、喜んでやっていただくというのは難しいのが現状です。
また、安くするために、いくつもの会社から相見積もりを取って、価格だけで工事を依頼される方もいらっしゃいます。安い工事には、安い材料、人件費を使っているということになります。
値切れば値切るほど、20年間本当に運営できるのか心配になる発電所ができてしまう可能性があります。
大事なのは、20年間安心して発電所を運営していくということです!
20年後のことを考え、過度な値切り交渉はしないほうがお得です。
4 18円の時代でも、利益は本当にでるのか?
2018年に入り、売電単価が18円/kWhに下がったことで、もう投資として難しいと考えている人も増えてきました。
しかし、情報を集め行動をしていけば、2018年度も投資案件としてまだまだ優秀と言えます。
実際に18年の売電単価でどれだけの利益がでるか見ていきましょう。
4-1 18円の売電単価でも利益は出る
発電量を稼ぐ方法として過積載という100kW付近まで太陽光パネルを設置する手法があります。
この手法を利用すれば、18円の売電単価でも年間200万円(税込)以上の売電収入(予測)が期待できます。
もっと過積載について詳しく知りたい方はこちらを参照ください。
2012~2015年までは、この手法は一般的ではなく、2016年度以降広まってきました。
2016年度以降は、過積載をした場合の発電量を参考に売電収入を試算しています。
2012年~2015年 50.88kWの太陽光発電システム → 60,966kWh
2016年~2018年 97.2kWの太陽光発電システム → 116,435kWh
●18円単価でも226万円ほどの売電収入が期待できる
※平成2015年度6月以前は29円、平成2015年度7月以降は27円
投資効率を計る方法として、表面利回りが一般的です。
●表面利回りの計算方法
※売電収入 ÷ 設置費用 × 100
太陽光発電所投資も、投資効率を計る目安として、利回りを計算します。
この業界では、10%以上の利回りがあれば優良物件として認められます。
2018年度の場合、土地代金+設置費用を2000万円前後以内に収めることができれば、表面利回りが10%になります。
設置費用については、先ほどお伝えしました。
そこで利回りを決めるのが、土地代金ということになります。土地代金をどれだけ抑えることができるかで、利回りを高くすることも可能です。
4-2 18円の売電単価20年間でいったいどれだけの利益がでるか
先ほどの4-1を参考に、20年間でどれだけの利益が見込めるか試算してみました。
2012年~2015年 50.88kWの太陽光発電システム → 60,966kWh
2016年~2018年 97.2Wの太陽光発電システム → 116,435kWh
●20年間で4,500万ほどの利益が見込まれる
2018年度(18円/kwh)に太陽光発電投資をした場合、20年で約4,500万円の利益が期待できます。
まだまだこれからでも遅くありません。ぜひご検討ください。
4-3 18円におすすめの過積載セット
自分で土地を見つけ、太陽光発電所を設置しようとした際、どのような組み合わせのパネルとパワコンを選べばいいのかわからないということをよく聞きます。
そこで、今回は、2018年(18円)時代におすすめの過積載セットを紹介していきます。
土地の面積に合わせた過積載セットをご紹介していきます。
●土地の面積が800平米ほどの土地に設置をお考えの方におススメのセット
パネルの枚数が少ないので、初期費用を抑えることができるセットです。
・Jinko Panasonic 92.16kW 過積載セット
【構成】
パネル :Jinko JKM320M-60H 288枚
パワコン:パナソニック 5.5kW (集中型)
アルミ架台
太陽光パネル1枚当たりの容量が320Wと大きく、枚数が少なくても92.16kWの最大出力を見込める過積載セットになっています。
参考価格で800万円(税抜)と全体の価格も抑えることができ、初期費用を抑えたい人におススメのセットです。
https://ichiba.solar-club.jp/products/detail.php?product_id=389
●土地の面積が900平米ほどの土地に設置をお考えの方におススメのセット
雪が降る地域の方におすすめのセットです。
【構成】
パネル :LONGi300Wモジュール 312枚
パワコン:HUAWEI4.125kWパワコン 12台
集電箱 :スマート集電箱(監視装置付)
架台 :アルミ架台
https://ichiba.solar-club.jp/products/detail.php?product_id=442
パワコンの使用環境温度が、-30℃~60℃と非常に幅が広く、寒い地域、熱い地域にも強いパワコンです。
また、パワコンの変換効率が、98.6%で他のパワコンに比べて変換効率が断然高いというのも特徴です。
両面受光のパネルを使用しているため、地面に光を反射させる白い石や、白いシートなどを敷くことで、裏面でも発電することができ、通常の表面+裏面両方の発電で発電量を稼ぐことができます。
雪がさらりと降った際には、裏面での発電も期待できます。
●土地の面積が1000平米ほどの土地に設置をお考えの方におススメのセット
影になりそうな場所に設置を考えておられる方におススメのセットです。
●JINKO 99.0kW ソーラーエッジスーパー過積載セット
【構成】
パネル :Jinko 275W JKM275PP-60-J 360枚
パワコン:solar edge 24.75kW 2台
オプティマイザー:180台
アルミ架台
https://ichiba.solar-club.jp/products/detail.php?product_id=282
通常一部の場所に影がかかった場合、全体的に発電量が落ちてしまいます。
しかし、ソーラーエッジではパワコンの他に、オプティマイザーという小さな部品をパネル2枚ごとにつけ、発電量が最大になるように制御をしてくれます。
そのため、一部のパネルに影がかかったとしても、影響を最小限に抑え、発電量を最大化することができます。
その辺の詳しい内容に関しては、以下が参考になります。
5 まとめ
この記事を読んでいただき、設置費用も下がり、2018年度の売電単価でも太陽光発電投資が可能ということが分かっていただけたのではないでしょうか。
また、部材費用の下げ方や、過度に値下げ要求をするとリスクが伴うということも分かっていただけましたね。
費用も下げることも大事ですが、一番大事なことは20年間売電を続ける発電所を設置するということです。
こちらの記事だけではなく他の記事も読んで、情報を集め20年間安心売電ができる発電所を設置しましょう。
また、情報集めは非常に重要なので、これからも太陽光発電投資を続けていきたいと考えておられる方は、以下のグループに参加して、最新の情報を得ましょう!