徹底解説 絶対に太陽光分譲投資を成功させる方法とシミュレーション

徹底解説 太陽光発電分譲投資

 安定した利益が見込めると言われる太陽光発電所投資ですが
詐欺や倒産の被害で数百万円の損害を被ることも珍しくありません。

不安な方は1時間だけください。リスクを限りなく小さくする
進め方と回避すべき落とし穴を全て伝授いたします。

リスクの回避方法さえわかれば、分譲住宅のように予め土地も
設備も業者に用意されている太陽光発電分譲投資は
初心者にもお薦めです。

規模にもよりますが最低1,000万円ほどから
案件があります。

ご自身で太陽光発電所を設置できる土地や
屋根をお持ちの方でも、まずは不安なので
分譲からというオーナーさんも少なくありません。

目次

1 太陽光発電所分譲投資のメリットとデメリット

 

 地球にやさしく、比較的リスクが小さくて儲かると言われる太陽光発電投資。
中でも業者に任せる分譲案件を選べば安全性は増す半面、デメリットもあります。

メリットとデメリットを知った上で自分にあった投資計画を立てていきましょう。

1-1 メリット

お金さえ用意すれば太陽光発電所のオーナーに

発電所を所有するまでの投資家の役割は基本的に資金調達のみ。
あとは毎月、売電収入が入ってくるのを待つだけです。

メンテナンスサービスや保険も付随してくる事が多いので、
投資家の中には自分の発電所を見たことがないという方も少なくありません。

次の投資につながる

 オーナーとなることで業者から様々な情報を得ることが出来ます。
また、他の発電所のオーナーと情報交換をしやすくなるため
2基目、3基目はより有利な条件で投資規模を拡大していく事も十分に可能です。

サラリーマン投資家で1億円分以上の発電所を所有する方も増えてきました。

トラブルのリスクを業者に預けられる

 法律、土地取引、近隣住人との揉め事、設計、自然災害など
太陽光発電所の設置、運営には多数の落とし穴が存在します。

 分譲では全てのリスクの責任を業者に預けることが
出来るので、安心して毎日を過ごすことが出来ます。

 せっかく投資で利益が出ていたとしても、
毎日リスクを恐れて眠れない生活をして病気になったら
全く意味がありませんよね。

1-2 デメリット

自分の土地や屋根に設置する発電所より利回りは悪くなりがち

太陽光発電所の収支比較

 分譲の価格には施工と部材の費用のほか、
土地の取得費用や営業費用などの経費が価格に上乗せされています。

設備と立地条件が同じであれば分譲を購入しても
自分の土地に設置しても売電収入は同じです。

自宅近くに存在するとは限らない

 分譲の太陽光発電所は「土地が安くて発電量が多い場所」
に設置されるため、お住いの地域の近隣で見つかるとは限りません。

東京にお住まいの方が宮崎に発電所を買うようなケースもよくあります。
遠隔地だとやや管理がしづらく金融機関からの融資も
付きづらい傾向があります。

得られる経験が少なくなる

太陽光発電所の設置及び運営には土地の選定、権利申請、
部材調達、施工、メンテナンスなど様々なスキルが
必要となりますが、分譲の場合はほぼ全て業者が代行してくれます。

 このままだと太陽光発電事業者としての自身の大きな
成長は見込めませんので、積極的に事業に参加して
時には質問してなるべく多くの経験を積んで下さい。

経験がないとトラブルに見舞われる可能性も高くなりますし、
これから始まると言われているセカンダリ取引
(売電開始済みの発電所の売買取引)市場においても
優位に立てなくなります。

2 利益は20年で約25%と20年後も現役の太陽光発電所

太陽光発電投資の収入は売電収入のみです。発電した電気は
20年間にわたり5〜6%の投資利回りになるように政府が設定した
固定価格で電力会社に買い取ってもらいます。

 20年後以降はその時のその時の電力価格に見合った価格で
買い取ってもらう事になりますが、太陽個発電投資の収支は
20年の固定価格買取制度を元に考えるのが一般的です。

2-1 年間売電収入の簡易計算方法

太陽光発電所で作られた電気の買い取り単価は、
太陽光発電所設置の申請をした年によって違います。
売電を開始した日ではないのでご注意下さい。

平成24年度価格で認定された発電所 40円/kWh(税別)
平成25年度価格で認定された発電所 36円/kWh(税別)
平成26年度価格で認定された発電所 32円/kWh(税別)
平成27年度6月以前の価格で認定された発電所 29円/kWh(税別)
平成27年度価格で認定された発電所 27円/kWh(税別)
平成28年度価格で認定された発電所 24円/kWh(税別)
平成29年度価格で認定された発電所 21円/kWh(税別)

売電価格については分譲の販売業者が提示していますが、
業者が勘違いしている事も稀にあります。

 必ず購入前に対象となる案件の売電価格を
電力会社と経済産業省に問い合わせて確認しましょう。

 例えば新潟市のパネルが60kW、
パワコン(パワーコンディショナー)49.5kW、
パネルが真南を向いていてパネルの傾斜角度が20度、
売電価格36円の発電所を例にすると、
年間売電収入は2,239,056円(税抜)となります。

具体的なシミュレーションの方法については5−3で後述します。

2-2 太陽光パネルは毎年劣化していきます

太陽光パネルの劣化

太陽光パネルには経年劣化があります。

20年に渡りほとんどのメーカーの保証値では年間0.5〜1%ずつ、
一般社団法人太陽光発電協会による国産モジュールの
実績値によると平均で0.27%ずつ落ちていくと言われています。

事業計画を立てる際はこの劣化も考慮していきます。

(※1 経済産業省「調達価格等算定委員会(第3回)」資料3 P6より)
http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/003_03_00.pdf

パネルの劣化を考慮した20年の売電収入のシミュレーションは
以下の通りとなります。

劣化率と20年間の売電収入

ちなみに例となっている新潟の発電所ではまだパネルの
発電量の劣化は生じていないこともお伝えしておきます。

2-3 部材交換費用は20年で多く見積もって200万円

パワーコンディショナー

太陽光パネルは故障しても殆どのメーカーに20年の
保証がついているので部材の交換が必要となると
言われているのがパワコンです。

こちらは10年が寿命と言われているので、事業計画上は
10年で総入れ替えをするようにしているオーナーさんが多いです。

しかし、ある国産メーカーによると部材の故障率を
かけ合わせて出した20年の故障率は4%程度。
実際は10%程度になると考えているとか。
有償で15年保証を着けるパワコンメーカーも出てきています。

 交換費用を含めて20年で200万円ほど見ておけば大丈夫でしょう。

2-4 保険は1kWあたり年間1,000円前後

 保険はメーカー保証とされているケースもありますが、
必ず内容を確認して下さい。大きな事故やトラブルがあっても
数十万円の見舞金程度しか出ないものが多く見られます。

 内容によって大きく価格が変わりますが
少なくとも盗難、いたずら、落雷、電気的機械的事故が
含まれたものが選択されているといいでしょう。

2-5 税金は毎年少しづつ減っていきます

土地の固定資産税は14,000円ほど

 土地の固定資産税はほとんどの市町村で課税標準額の1.4%となります。

60kWほどの太陽光発電所分譲であれば土地の課税標準額は
多く見ても100万円以下であることがほとんど。
最大でも400万円ほどでしょう。

仮に課税標準額が100万円ほどとすると年間14,000円ほどとなります。

発電設備の償却資産税は固定資産の前年度評価額 ✕(1−減価率)✕1.4%

 太陽光発電設備の減価率は0.127。
 初年度はその半分の0.064です。

 設備取得額が2000万円とすると

 初年度の評価額: 2000万 × (1 – 0.064)  = 1872万円
 初年度の償却資産税: 1872万円 ×   1.4%  =  262,080円

 2年目の評価額:  1872万円 × (1 – 0.124)=16,398,720円
 2年目の償却資産税:16,398,720円 × 1.4%  = 229,582円

その後徐々に減りながら17年にわたり支払い続け、18年後以降はゼロとなります。

2-6 メンテナンス費用は5〜30万円/年

太陽光発電所メンテナンス

分譲におけるメンテナンスは分譲業者が年額5万円〜30万円程度で
請け負う事が多いです。購入時にメンテナンス契約が必須で
あることが多く、内容と価格は業者によって大きく違います。

60kWの発電所の基本的なメンテナンスの内容と
外注する時の相場は以下の通りとなります。

目視によるパネルの割れ、架台のさび、ネジの緩みのチェック

 こちらは自分でも可能です。目視だけの外注はあまりしません。

除草

外注すると1回あたり5〜10万円ほど。年間1〜4回程度必要。
土地の状況によっては必要ないケースもあります。

また、慣れていない方が草刈機でケーブルを切断してしまう
事もあるので注意してください。

除雪

除雪機が通れるところであれば1回あたり5〜10万円ほどです。

雪国では架台の嵩上げと架台の傾斜により除雪の
必要がない設計をしている発電所も多く見られます。

遠隔監視による発電量チェック

機材費用20万円ほど、+通信費3千円ほどで
遠隔監視と警告メール発報サービスが各社から提供されています。

分譲の場合、遠隔監視費用は含まれているものがほとんですが
駆けつけ対応サービスは別料金(1〜2万円/回)になる事が多いです。

各種測定器による電気的、光学的点検

 特殊な器械を使って点検です。内容により10〜30万円ほどかかります。
初期不良のチェックをするため、初期点検と1年点検は
必ずしっかりやりましょう。

 異常がなければその後は隔年での利用をお勧めしています。

2-7 シミュレーションより売電収入増やす方法

 太陽光発電所分譲はまだ歴史が浅く、全ての分譲が
売電収入を最大化させるように設計されているわけではありません。

 分譲を購入後に自ら手を加え、売電収入を増やしている
オーナーさんも出てきています。

過積載によるパネル追加で売電収入5割アップ!

 パワコン容量に対し、太陽光パネルの容量を多く設置する設計は
過積載とよばれ、例えばパワコン40kWに対しパネル50kWの
設備であれば過積載率125%と表現されます。

 FIT導入当初はメーカーも設置業者もパワコンに対する知見が少なく、
過積載率は多くても120%ほどでしたが、最近では200%を越えて
過積載が出来るケースも出てきました。

 過積載率の上限はパネルとパワコンの性能によって変わりますが
過積載率120%(パネル250枚)の案件を180%
(パネル360枚)に増設された方もいます。

購入された発電所に追加でパネルを設置できるスペースがある場合は
信頼できる施工業者に相談をしてみて下さい。

※平成29年2月現在、稼働後からの過積載を禁止する法律の
 議論が始まっています。法改正にはご注意下さい。

パネルの掃除で発電量5%アップ

 太陽光パネルはホコリ等で汚れることにより発電量が
5〜20%ほど低下します。

 雨が降れば汚れが落ちるので発電量は回復しますが、
雨が降った際にブラシ等で洗浄することでさらに
発電量を回復させることが出来ます。

 なお、水道水での洗浄は、乾燥したときに白い取れない
汚れが少しづつ溜まってしまいますのでお勧めしません。

木の伐採と配線の見直し

 太陽光発電所分譲では、近隣に影の原因となる遮蔽物が
あるケースがあります。このような際は直接、地権者さんと
交渉して木を切らせてもらいましょう。

 また、影のパターンによって配線を変えることにより
年間の発電量を増やせるケースもあります。
増設と一緒に信頼できる施工業者さんに相談をしてみて下さい。

2-8 参考例 20年の利益は1,000万円+発電設備

 20年の利益は以下の通り1100万円ほどになります。
設置場所や条件により利益はゼロにも倍にもなるので注意して下さい。

また、20年後以降も太陽光パネルは発電をし続けていますので、
その時の相場で売電収入を得続けることが出来ます。

【仮計算条件】

  場所 新潟市

  パネル 60kW

  パワコン49.5kW

  パネル方位角 真南

  パネル傾斜角 20度

  売電価格36円

  融資 10年間固定2.0%の全額融資

太陽光発電所の20年間の収支

 

 

3 太陽光発電所分譲投資をする人ってどんな人?

太陽光発電所分譲投資は1千万円以上のお金が動くので、
投資をする方はお金持ちの方ばかりだと思われがちですが、
実際は普通のサラリーマンの方も多く参加されています。

ただし儲けているとひがまれるのであまり周りの同僚や
お友達には投資していることを言わないそうです。

 どんな立場の方でも、成功される方は実際に
投資をされている方同士での情報交換をしっかり
されている方が多いです。

3-1 普通のサラリーマン

 太陽光発電所分譲投資で一番多いプレイヤーはサラリーマンです。

月々の小遣いを増やしたい、子供の将来の学費に、
老後が不安など目的は様々。

 住宅ローンが残っていても、近隣の分譲で1基目であれば
比較的簡単に資金調達が出来ているようです。

しかし、投資に慣れていない方が多い分、
情報量が少なく業者の宣伝文句を鵜呑みにして
詐欺に合われる方が少なくありません。

基本的に良い情報は、資産を持っている方に
集まる事を忘れないでください。

3-2 賃貸経営をしている大家さん

太陽光発電分譲の購入する方で一番情報を持っているのが
既に不動産投資経験のある賃貸経営の大家さん。
独立を目指すサラリーマン大家さんも多いですね。

 投資家仲間で情報を共有し、事前に融資枠を金融機関に
確認しながら堅実に資産を増やしていきますが見た目の
利回りだけに目を奪われ技術情報を軽んじる方も
少なくありませんのでご注意下さい。

太陽光発電所投資は歴史が浅く、金融機関も
ノウハウをあまり持っていません。

融資が出たからと言って安心出来ないのは不動産投資と同様です。

3-3 お医者さん、経営者などのお金持ち

 年収も融資属性もいいので金融機関から逆に案件を勧めて
もらえる事もあるのがお医者さんや経営者などのお金持ち。

 時間をかけて情報を集めるより自分で稼いだほうが早い方々なので、
投資で稼ぐというよりは寝かせているお金を遊ばせないために
コンサルタントに相談して投資をされる方が多いようです。

 悪い情報は掴みづらいものの、仲間内の情報を極端に
信じやすく医者仲間、経営者仲間全員で悪い案件を
集団で掴んでしまうケースが見られます。

安定していると言っても太陽光発電“投資”ですから
最終判断は必ずご自身でして下さい。

3-4 一時的に大きな利益の出た個人と法人

グリーン投資減税や生産性向上設備投資促進税制のよる
一括償却を利用して太陽光発電所を現金で一括購入するのは
一時的に大きな利益の出た方々。

「どうせ税金で半分近く持っていかれるお金だから」と、
決算期近くになって慌てて太陽光発電所を
購入するケースが多くみられます。

 

 決断が早く業者から見ると一番ありがたいお客様ですが
決断までの時間がない分、あまり条件の良くない分譲を
高値で買ってしまう事も多いようです。

 改正FIT法でメンテナンス義務が強化された事により
発電所を手放すオーナーさんが一番多くなる層だとも言われています。

 太陽光発電所投資はインフラを支える大事な役割があります。
 一時的な収支だけではなく長期的な運用も考え、資産を守りましょう。

4 太陽光発電所分譲投資の詐欺と業者倒産の被害事例とその対策

 太陽光発電分譲投資はまだ歴史が浅く、売り手も買い手も
市場が十分に成熟してため、情報を十分に持っていないことが多いです。

その上、取引額も大きいため詐欺やその他の被害事例も
多発しているのでご注意下さい。

4-1 予約金200万円を取って計画倒産か?

インターネットで架空の高利回り太陽光発電所分譲案件を提示して
オフラインで説明会を開催した業者X。

集まった人々にリスクはないことを説明し先着20名と
うたいながら少なくともその倍以上の人々から
手付金200万円を受け取ります。

 その後は工期が遅れに遅れ、設置予定場所に
しびれを切らした申込者が確認をしに行くとそこには既に
他社の太陽光発電所設置計画が進んでいました。

申込者が返金を求めても業者Xはそれを拒み、
別の太陽光発電所の分譲を提示しますがこちらもいつまでたっても
計画は進みません。。

 また、申込者が知らないうちに社長も変わり
計画倒産がささやかれ始めています。

 一部の人は訴訟に向けて動きますが、既に会社に
現金はほとんどないようで予約金の回収は非常に困難な
状況に陥っているようです。

4-2 業者が工事の途中で倒産!400万円を余分に払うことに

 こちらは2000万円の発電所を買うのに2800万円を
支払うことになってしまったケースです。

 太陽光発電所分譲では大抵の場合、設置前の段階で
お金を支払うことになります。支払のタイミングは通常、

  • 契約時
  • パネル等部材発注
  • 工事開始
  • 引渡し&売電開始時

 上記のようなタイミングで3〜5回程度の分けて
支払うケースが多いですが、中には一括で先払いと言うケースもあります。

 こちらのケースでは契約した10月に200万円、
12月の部材発注時に1200万円支払い、引渡し予定の
3月に600万円を支払う予定でした。

 しかし、工事が始まる予定の1月になっても工事は始まらず、
発注者がおかしいと思っていた矢先の2月に業者が倒産。

 幸い権利は業者から引き継ぐことが出来ましたが、
部材の未払金と別の業者への施工費の
支払いで発注者は1000万円支払うことに。

 結局、当初の計画yリ400万円を余計に
支払うことになってしまいました。

立派なホームページと営業マンを信じた結果でしたが、
後ほど調べてみると倒産の噂はWeb上にも出ていたそうです。

4-3 1時間で出来る分譲業者の選別方法

100%詐欺や倒産に巻き込まれないのは難しいですが、
1時間で99%以下にするのはそう難しい事ではありません。

ネット検索 30分

 業者名と社長名を複合キーワードで検索してみましょう。
例えば「A社 詐欺」「◯◯◯◯(社長フルネーム) 前科」などで
検索して該当することがあります。

人の口には戸は立てられませんし、詐欺師は再犯率は
1/3などとも言われています。

法人登記確認 10分

 クレジットカードさえあれば335円ですぐに分譲業者の
法人登記が確認できます。

実際に会社が存在しているのか、公表している情報と差異がないか、
法人名や株主、事業内容や所在が頻繁に変わっていないかを
確認するだけでもリスクを大幅に軽減する事が出来ます。

登記情報提供サービス(一時利用)
http://www1.touki.or.jp/service/articles_onetime.html

口コミ調査 10分

 掲示板やSNSに投稿して情報を集めましょう。
詐欺や遅延等の被害にあわれている方は
積極的に情報提供をしてくれます。

ライバルが増えるからと情報を自分だけで
抱えたがる方は、それだけリスクも上がることを
承知の上で行動して下さい。

 情報の拡散が心配な方は、信頼できる投資家仲間に
いつでも直接メッセージが送れるネットワークを
日頃から意識して作っておけるといいでしょう。

支払い条件確認10分

 資金繰りに困っている分譲業者は代金の回収が異常に早くなります。
「工事前から前金で100%」など、極端な契約条件を
求められていないか、前もって契約書の確認をしておきましょう。

また、上記の方法以外にも、直接会社を訪問したり、
有料の企業情報サービスを利用するとよりリスクを
低減させることも出来ます。

帝国データバンク インターネット企業情報サービス COSMOSNET https://www.tdb.co.jp/lineup/cnet/cn_step.html

5 絶対に損しない太陽光発電所分譲投資をするまでの道のり

 太陽光発電所分譲投資はチェックすべき項目をしっかりと
チェックすれば、比較的安全な投資だと言われています。

 しかし、良い案件であればあるほど他の買い手との
時間の競争となるのも事実です。

 以下の手順を踏んで徐々に慣れつつ、信頼できる売り手を
なるべく早く見つけていきましょう。

5-1 資金調達方法を決める

 まずはどのように資金調達をするかを決めましょう。
この時点では時間を使う意外のリスクは全くありませんので
仮決定でOKです。

現金

 現金で購入出来るのであれば、融資決定を待つ必要が無いので
優良案件を購入しやすくなります。

投資ではなるべく現金を残したほうが費用対効果が
良くなりますので、購入後に融資を受ける方も少なくありません。

親類からの借り入れ

 意外と見過ごしがちなのが両親や親類からの借り入れです。

「どうせいつか相続するものだから」

「寝かせている現金が環境に役立ってあなたも儲かるというなら」

と、意外とすんなり借して頂ける事も多いようです。

もし現金に余裕があって関係が良好な両親や親類すら
説得出来ないなら、ご自身の知識や覚悟が足りないのかもしれません。

 “ダメで元々”くらいの気持ちであくまで関係を
悪化させないようにお願いしてみましょう。

メガバンク

 一番融資までのハードルが高い半面、
支店さえあれば居住地から遠い案件の融資(越境融資)にも
対応してくれるのがメガバンクです。

融資を受けられるのは十分の取引実績や担保資産を
お持ちの方がほとんどです。

地方銀行、信用金庫

 融資までのハードルは比較的低い一方、居住地と分譲地に
支店があっても越境融資にはなかなか応えてもらえないのが地方銀行。
法律上の問題で越境融資は一切してもらえないのが信用金庫です。

日本政策金融公庫
(旧国民生活金融公庫、旧農林漁業金融公庫、旧中小企業金融公庫)

銀行の中で融資までのハードルが一番低く、越境融資にも対応しています。

信販会社

分譲業者によっては信販会社と提携しているケースがあります。
もちろん審査はありますが最もハードルの低い資金調達方法となります。

5-2 分譲案件を探す

場所と予算を決めて実際に分譲案件を探してみましょう。
主に以下の3つの方法で調べることとなります。

Webによる検索

 個人投資家向けならばまずは2,000万円前後の
50kW未満の低圧の案件となるでしょう。

例えば「千葉県 太陽光発電所 低圧 分譲」等で
調べてみてください。更に規模の大きいものを探すなら
低圧ではなく高圧で調べてみましょう。

また、太陽光発電所の分譲を一括で掲載しているサイトもあります。

太陽光発電ムラ市場
https://ichiba.solar-club.jp/

タイナビ発電所
http://www.tainavi-pp.com/

知人、友人からの紹介

 太陽光発電所を所有している知人や友人がいれば
いい案件や業者がいないか聞いてみましょう。

一度、発電所のオーナーになると一般より
有利な情報が入りやすくなります。

ただしあくまでも投資なので自己責任です。
何かあっても当然、その方に責任を求めて関係を
悪化させてはもったいないですよね。

金融機関や会計事務所に相談

 太陽光発電所の分譲業者から、取引先の金融機関や
会計事務所に顧客紹介の依頼があることも少なくありません。

深いお付き合いのある金融機関や会計事務所が
あれば相談してみましょう。

5-3 売電収入シミュレーションを自分でしてみる

では、以下の例を元に発電シミュレーションをしてみましょう。

所在地      新潟市
パネル容量    60kW
パワコン容量   49.5kW
パネルの向き   真南
パネルの傾斜角度 20度
売電価格     36円

発電量はほぼ日射量に比例しますので、
その場所における日射量を調べます。

まずはNEDOの日射量データベースのページを開いて下さい。

https://www.nedo.go.jp/library/nissharyou.html

こちらのページにある、以下のURLよりソフトウェアをダウンロードします。

https://www.nedo.go.jp/content/100879222.zip

インストール方法は、こちらのファイルを参照してください。

https://www.nedo.go.jp/content/100500502.pdf

シミュレーション1

まずはMONSOLA11をクリックして、地図から地域を選んで下さい。

 

地図上からエリア:新潟県、地点:新潟市を選択してください。

シミュレーション2

地図から新潟を選び、右下のオレンジのアイコン
「この地点のグラフを表示」をクリック

シミュレーション3

①角度指定を選択

②傾斜角は20度なので20度を選択。
 この時点で傾斜角20度の時の方位角
 (南からズレている角度)別のデータがグラフに出ます。

③必要なデータは真南だけなので全てOFFを選択
 (表示は選択後なので全てONになっています)

④方位角0を選択。

⑤こちらに新潟市の1日平均の日射量
 (今回の場合、3.55kWh/㎡)が出ます

 

1年間の発電量=
3.55(日射量)✕365(日)✕60(kW)✕0.8(ロス率20%)

=62,196kWh

1年間の売電収入=62,196(kWh)✕36(円/kWh)

        =2,239,056円(税抜)

シミュレーションにおけるロス率は20%で見ることが多いですが、
この実在する発電所のロス率を発電実績と気象庁の日射量データから
2016年のロス率を計算してみたところ15.2%でした。

資金ショートを避けるために少し厳し目のシミュレーションに
しておくのが無難です。

最近の低圧(基本的にパワコンで50kW未満)の太陽光発電所分譲は
パネルが70kW以上の設備も少なくありませんし、
設置場所も大抵は新潟より日射量が高いところになります。

売電価格が24円でも年間売電収入が200万円以上に
なる案件が多くみられますので、業者のシミュレーション
任せにせず、ぜひ実際に計算してみて下さい。

5-4 金融機関への相談

 分譲案件を見つけたら資料請求をして、売電シミュレーションを元に
事業計画を立てて金融機関を訪問します。

訪問する際はなるべくその金融機関と関係が強い方から
紹介を受けてから訪問します。飛び込みは融資のハードルを
上げることにつながるので注意しましょう。

 いくらの融資が受けられそうか、その際の条件は何か
(設置場所、担保、保証人等)を確認して、検討している
分譲案件に該当しなければ条件に合う分譲案件を探します。

 中には対象となる太陽光発電所を探す前に金融機関を
訪問する方もいますが、融資対象がなければ金融機関も
判断が出来ません。

悪い印象を持たれてしまう事もあるので注意しましょう。
融資の可否は私たち事業者と担当者との信頼関係に
大きく左右されます。

5-5 発電所の権利の確認

 俗に3点セットと言われる書面(電力会社の電力受給契約書、
経済産業省の設備認定、土地の登記簿謄本)を元に
購入しようとしている太陽光発電分譲案件が発電所としての
権利が成立しているかを確認します。

書面を偽造される事もありますので、業者に不安がある時は
書面だけではなく実際に電力会社、経済産業省、法務局に
問い合わせて権利が存在するかを確認すると確実です。

5-6 現地見学で最終チェック

遮蔽物とその可能性

 太陽光発電所に影を作る木などの遮蔽物がないか、
また南側に新たに建物が立つ可能性がないかを確認します。

近隣とのトラブルはないか

 太陽光発電所の設置で業者と地域住民の方との間に軋轢がないか、
近隣の方とお話をしてチェックしてみましょう。

太陽光発電所は安定収入を得られる分、僻みや妬みの対象に
なりやすい一面もあり、投石等の嫌がらせに遭うケースも見られます。

現地までの交通手段および観光地の確認

 発電所を所有した後、年に1回など定期的に太陽光発電所の
チェックのために現地に足を運ぶ事が理想ですが、遠方であれば
ただ発電所のチェックのためだけに現地を訪問するのは
精神的なハードルが非常に高くなります。

家族で温泉旅行がてら寄れるような他に目的を作れる
観光地があると、毎年の訪問も楽しくなりますよね。

5-7 支払い

 購入を決めたらなるべく早く支払いを済ませましょう。
申込みをしても手付金を支払わなければ業者はよりよい条件の
買い手と契約をしてしまいます。

この時点で造成、部材の搬入、組み立て、電力会社への
売電開始時期など工事のスケジュール確認も必ず済ませて下さい。

5-8 経過確認

 支払いを済ませた後に、工事がスケジュールどおり
進んでいるかできるだけチェックをしましょう。

業者に現場写真を送信してもらうだけでもかまいません。
スケジュールに遅れが見られる際は、必ず理由をはっきりさせましょう。

遅延している際には業者が部材仕入れや施工費用の滞納を
している可能性もあります。

5-9 引き渡し

 引渡し時には出来るだけ立ち会うようにしましょう。
最終の支払いを済ませる前に、気になる所があれば必ず
指摘して修正を求めて下さい。

支払後に迅速な対応をしてもらえることは稀です。