「投資用の太陽光発電所を自作でなんて出来るの?」
“空室のないマンション”とも呼ばれ安定した投資先として人気の太陽光発電所を、自分の手で作るなんてとても難しく感じる方も多いのではないでしょうか。
でも出来ることは自分でやって出費を抑え、出来るだけ投資リスクを減らしたいものです。
そんな太陽光発電所の自作ですが・・・結論から言えば誰にでも出来ます。
実は自作と言っても全てを自分でやる必要はありませんし、太陽光発電所を設置するまでの作業には、誰にでも出来る部分が多々あるからです。
例えば太陽光パネルやパワーコンディショナー(パワコン)だけ自分で相見積りをとれば1,000万円以上と言われる投資金額を100万円以上安くすることも十分可能です。
また、設置作業も難しいところだけ業者に任せ、単純作業は自分でやればさらに投資金額を削減することが出来ます。
中には徹底的な自作によって投資金額を4年で回収したという方も。投資回収を終えた残りの16年はただ毎年200万円以上の現金が入ってくるとは何とも羨ましいお話ですね。
そこで今回は、自分の太陽光発電所を自作する方法について、初心者にもわかりやすいようにご紹介していきます。太陽光発電所を出来る範囲で自作して、ぜひ有利に太陽光発電投資を進めてみてください。
売電による買取価格が下がり、素人でも儲かりやすい太陽光発電投資バブルは終わりましたが、業界ではその分のノウハウが積み上げられリスクは更に低くなっています。
しっかりと勉強すれば太陽光発電投資バブル時代より低いリスクで高い利益を手にすることが出来ます。よリ多く学び、より早く動き、より確実に、より多くの利益を確保していきましょう。
1 投資利益を最大化させる太陽光発電所の自作(DIY)
太陽光発電所の設置はその他の発電方法と比べればそのハードルは非常に低くなります。しかし、自作と言っても発電所のオーナーはインフラの担い手の一人。自覚を持って設置と運営を行わなければいけません。
こちらの記事では2017年度における低圧と呼ばれる設備容量が50kW未満(パワコン容量が50kW未満、太陽光パネルが約100kW)の太陽光発電所の設置についてご案内していきます。
1−1 太陽光発電所の自作とその範囲
比較的多く見られるのは土地探し、部材の手配、組立工事、フェンス等工事を自力で行うパターンです。もちろん自分でやる事が増えればそれだけコストも下がり、投資の費用対効果が良くなります。
中には電気工事士の資格を取り重機を買って、全て自分でこなすようになり独立してしまう方もいらっしゃいます。等身大のプラモデルを作る感覚で楽しいのだと聞きますが、私には真似できそうにありません。
基本的には、ご自身で所有されている土地に全て業者任せで太陽光発電所を設置する方が多いようです。ちなみに上記のすべての過程を業者に任せるのが分譲型太陽光発電所の購入になります。
1−2 自作する最大のメリットは価格 デメリットはリスクの増大
太陽光発電所設置において自作をすると、最大で3割〜5割ほど費用を削減する事が出来ます。一方、トラブルに巻き込まれてかえって高くなったり、最悪の場合はお金を支払っても発電所が手に入らないケースもあります。
1−2−1 メリット
自作を行うという事は、業者に発注をする事業者(投資家)が太陽光発電所設置業者の一部の業務を代行することとなります。
業者は主に建築系。電気系、不動産系と別れており一括受注をしても業務のすべてを自社で行うことは殆どありません。業者が下請けに投げる業務を投資家が自分で行えば、経費が節約できますよね。
また、太陽光発電所設置のノウハウが身につけば、新規で設置する時に有利なだけではなく、これから本格化すると言われているセカンダリ取引(売電を開始している発電所の取引)の目利きも出来るようになり、より有利な投資が行えるようになります。
1−2−2 デメリット
自分で行った業務に関しては全て自身の責任となります。選んだ土地から不法投棄された産廃が出てきたり、部材の発注をして支払いだけ済ませた時点で販社が倒産したり、施工前の部材が盗まれたり、施工後に近隣からクレームを受けたりと太陽光発電所の設置には数々の落とし穴があります。
自作を行うにはそのリスクの一部または全部を背負う必要あります。
2 学びながら根気強く行動できる人に向いている自作太陽光発電所
自作の太陽光発電所を作るのに必要なのは設置する土地とお金と十分な知識となります。
土地は自分の足で探すか不動産屋さん経由で、お金は親しい人や金融機関等あらゆる手をつくして、知識はオンライン、オフラインで出来るだけ情報を集めれば集めるほどリスクは減り、利回りは上がる事に。
発電所を所有するまでに早い人で三ヶ月、慎重な方だと2年以上かけた方も少なくありません。一番必要なのは最後までやる切る力となります。
2−1 自作に必要な土地の条件
太陽光発電所の自作に必要な土地の面積は50〜500坪ほどとなります。敷地の真横まで電線が来ている事が理想ですが、近くに電柱がなくても公道までなら1mあたり1万円ほど電力会社に支払えば既存の電柱から電線を延長してもらうことが出来ます。
太陽光発電所用地の購入単価は地域にもよりますが、電力の買取価格が40円だった2013年の頃には坪単価4万円などという例もありました。
平成26年度まで経済産業省の調達価格算定委員会で例示している条件では、賃貸で坪当たり年額500円ほどとなっています。売買なら坪単価5,000円というのを一つの目安としていいでしょう。
2−2 必要となる資金と時間
業者に依頼をすると必要となる資金は規模にもよりますが2000万円ほどです。部材の費用は大よそ6割ほどなので、自作する範囲が広くなればなるほど費用は安くなります。
プロが行えば太陽光パネル100kW、パワコン49.5kWの設備で、トータルで60人工(10人で6日間、2人で30日分)の作業量となりますが、慣れていない方が作業をするなら倍程度は見ておいたほうがいいです。
実際には時間、機材、資格や技術の関係からすべてを自分でやる事は難しいので、出来る範囲で自作をしていきましょう。
2−3 実際に設置している方の体験談リンク
同じ投資家の立場で情報を発信されている方の情報には共感できますし説得力があります。是非参考にしてみて下さい。
あやぱぱさん
太陽光発電でスーパー過積載に挑む
kanshimaniaさん
E爺さん
3 太陽光発電所ほぼ完全自作マニュアル
では実際に資格や大型の重機が必要となる作業以外を自分で行う太陽光発電所の設置方法をご紹介していきます。
太陽光発電所の自作は時間との勝負。太陽光発電による売電価格は経済産業省が設置を認めた時点で決まるため、時間が立てば太陽光発電の投資条件はどんどん不利になっていきます。
重要なのは行動しながら常に情報収集をしていく事。初期の段階では時間を使う以外のリスクは全くありません。まずはすぐに行動に移していきましょう。
3−1 土地の目星をつける
太陽光発電所設置の用地がない場合は土地を探します。理想の条件を挙げ始めるとキリがありませんので、まずはなるべく数を多くの情報を集めましょう。
- 南、東西に木や建物がなく影があまりかからない
- 地代が坪1万円以下
- 電線が敷地のすぐ隣まで来ている
- 太陽光発電所を設置しても法的に問題がない
- 地権者が土地を太陽光発電所向けに売買、賃貸をする意志がある
後から候補は絞れますし、電力会社に申請してみないと実際に投資した時の価値はわからないので、こちらの条件だけで十分です。
不動産業者、建設会社、親類、友人などあらゆるところに相談してみましょう。
3−2 見積りをとる
探した土地でどれくらいの規模の発電所が出来るか、施工業者やパネルの販売業者などに見積もりを取ってみましょう。見積もり時に土地情報を伝えればシステムを仮設計してもらえます。
見積もりは通常、以下の3パターンが考えられます。後のものに行くにつれて価格は安くなり、リスクは高くなります。
3−2−1 施工業者に全て依頼してフェンスと防草シートだけ自作
部材調達も太陽光発電所の工事も全て業者に任せ、自分では発電所自体に関係がないフェンスや防草シートの部材調達および施工を行います。
初心者でも簡単にできますが数万円〜数十万円程度の費用削減にしかなりません。
3−2−2 施工業者に施工だけ依頼して部材は自力で調達
分離発注という方式です。部材は販売サイト等から直接調達し、その他は施工業者に任せるパターンです。
施工責任は明確になりますが、例えば大雪での架台の破損など部材の問題か施工の問題加賀はっきりしない際は、トラブルのもととなります。
また、部材の盗難に関しては施工業者の保険が使えることが多いですが、必ず発注前に施工業者に確認をしておきましょう。
3−2−3 施工を分離して発注、部材は自力で調達
自力でできる部分は出来るだけ自力でやる形は200万円以上のコスト削減につながることが多いです。
施工は架台の基礎部分だけを土木業者に、電気工事が関わる部分だけを電気工事会社に任せ、架台の組み立てやパネルの設置等、単純作業は全て自身で行います。
責任の所在が非常に曖昧になりがちであるため、太陽光発電所設置の知識を十分に持ち、業者への発注も慣れている方にしか出来ません。
特に部材の盗難に関しては保険の適用外であることが多いので注意しましょう。
3−3 資金調達のめどを付ける
自作をする方はお金より時間を提供出来る方なので、現金で太陽光発電所を設置出来るケースは少なく、金融機関や親類等からお金を借りて資金調達をする事になります。
いずれにせよお金を借りるのですから、ご自身が太陽光発電事業に確信を持っていないとお金を借りることは難しくなります。しっかりと知識をつけ、自信を持って説得をしていきましょう。
3−3−1 金融機関を訪問する
見積もりを元に以下のExcelシートを使って事業計画を作成し、金融機関を訪問してみましょう。
【参考 太陽光発電所の20年の事業計画作成用Excelシート】
金融機関を訪問する時は必ず誰かの紹介で行ってください。誰の紹介もない一見さんでは融資を受ける際のハードルが高くなってしまいます。
訪問順序はメガバンク→地方銀行→信用金庫→日本政策金融公庫と、融資を受けづらい順にする事をお勧めします。
この順番で訪問する理由は、太陽光発電所投資は2基目、3基目と投資をしていく事になりがちなので、その時のために借りやすい金融機関の枠はなるべく後まで残しておいたほうが良いためです。
【参考 売電シミュレーションを自分でしてみる】
3−3−2 金融機関以外からの調達を模索する
家族や親類から資金を借りることが出来れば、金融期間から融資を受ける際にも頭金を増やして融資条件を有利に出来ます。
また、住宅ローンを組んだばかりの、金融機関から融資をこれ以上受けられないサラリーマンが、会社に太陽光発電の素晴らしさを伝え、会社から融資を受けたこともありました。
3−4 電力会社に申請をする
太陽光発電所を設置するには、発電所予定地の管轄の電力会社に太陽光発電所設置の申請をする必要があります。
電気の知識がある方であれば自力で、出来ないようなら施工業者に依頼しましょう。施工業者に頼んでしまうと後で相見積もりがとれなくなってしまうので、申請代行のみを行っている業者に有料で依頼をする事もできます。
【代行を行っている業者】
通常であれば申請をしてから1,2ヶ月ほどで電力会社から接続条件の回答が書面で来ます。こちらの書面に事業者が電力会社に支払う工事負担金が明記されているため、太陽光発電所の設置に必要な費用のすべてが出揃うことになります。過去には1年以上かかったケースもありますが回答が遅い際には必ず問い合わせをしてみましょう。担当営業所によっては業務が非常に忙しく担当者の業務リストから漏れてしまっているケースも過去に有りました。
3−5 事業の妥当性の評価を行う
電力会社から回答が来る間に、以下のExcelシートを使い、候補に上がった各事業の採算性を比較して優先順位をつけておきましょう。
また、電力会社が発電所設置の許可を出しても、該当する場所での設置が自治体の法令に違反している可能性があります。
不動産業者からの仲介であればこのあたりは不動産業者で調べてもらえますが、そうでない場合はご自身で調べる必要があります。
関係する法規、管轄については以下のリンクをご参照下さい。
【参考 経済産業省 事業計画策定ガイドライン P31〜32】
事業計画のガイドラインは指針を示すもので、義務が明確に書かれていない箇所が多く見られます。コスト削減のためにはガイドラインを熟読し、行間を読む工夫も必要となってきます。
3−6 JPEA代行申請センター(JP-AC)に申請手続きをする
電力会社から回答が来て発電所設置の事業性が確認できたら、経済産業省の設備認定を取得するためにJPEA代行申請センター(JP-AC)に申請を行います。、こちらの申請についてはあまり難しいものではないので自力で出来ることでしょう。
3−7 設置場所の確定と業者への発注
経済産業省から設備認定を取得できたら発電所の申請手続きは終了です。早速業者に正式発注をしましょう。10kW以上の太陽光発電所は設備認定を受けてから3年以内に売電を開始する必要があります。
土地を購入、賃貸する際はリスクを避けるためにこの時点で正式契約を結ぶのが理想的です。土地契約、電力契約、設備認定の通称3点セットが揃っていれば、もし資金調達が出来ずこの段階で計画を断念するとしても発電所の権利を転売することも出来ます。
発注の際に意外と見落としがちなのが進入路と荷物の受取(荷受け)です。10トントラックが余裕で入れるような場所ならいいのですが、道が狭いような際は4トントラックで持ってきたり、軽トラックでピストン輸送をするなどの必要が出てきます。
また、現場にフォークリフトがなければクレーンの付いたユニック車での輸送が必要となります。施工業者に荷物の受取をしてもらうのであれば事前の確認をしっかりとしておきましょう。
3−8 施工スケジュールを立てる
部材の納期、電力会社の工事の日程、施工会社の空きスケジュール、運送会社のスケジュールを一致させ、施工スケジュールを立てましょう。
施工が出来ない状態で部材を現場においておけば無駄に劣化するだけでなく、盗難のリスクも高まってしまいますし、使わない部材が現場にあるとそれだけ作業能率も下がってしまいます。
輸入部材に関しては天候が荒れたりすれば納期がずれますし、地方の港だといきなり税関調査に引っかかって納期が伸びることもあります。
納期が伸びると施工業者を仕事もない状態で拘束することになり、急に施工を延期しても業者から損害金を請求されることもあります。
可能であれば1週間ほど納期に余裕を持ったスケジュールを立てるのが理想です。
3−9 近隣への挨拶
工事が始まると音がうるさかったり工事車両が通ったりと近隣の方にご迷惑をおかけすることになります。法的に義務はありませんが必ず菓子折りなどを持ってご挨拶をしておきましょう。
太陽光発電所は投石等、人の悪意には非常に脆いもの。近隣の方々の反感を買う事だけは絶対にやめましょう。
3−10 施工開始
施工は順序が入れ替わっても良いものが一部あります。状況に応じて臨機応変に対処していきましょう。
3−10−1 不要な建築物、木の除去
敷地内にあって影の影響を与える物を撤去します。北側にあるものは影の影響はありませんので撤去費用が高くなるようでしたらそのままにする手もあります。
木は北にあったとしても落ち葉がパネルにかかって発電量が下がるリスクはあります。ただし風が強い地域であれば強風を和らげてくれる効果もあるので、距離が十分に離れていれば敢えて残しておくというのも選択肢の一つです。
3−10−2 土地の造成
土地が平坦でなければ造成をします。設置後のパネルの最低地上高を50cmに維持しないと保険に入れない事もありますし、積雪に極端に弱い発電所になってしまうため少なくともパネルを並べる列の高さは揃える必要があります。
太陽光発電所の電線は劣化を防ぐためになるべく地中に埋設します。その埋設のための穴もこの時点で掘っておきます。
造成と電気工事を同じ業者がやるのであれば問題はありませんが、それぞれ別業者に依頼した際には予め打ち合わせをしてどこに電線埋設用の穴を掘るか確認をしておきましょう。
3−10−3 基礎工事
太陽光発電所の架台を設置する基礎には、施工費用が安くて済むグランドスクリューが多く利用されています。グランドスクリューの施工には重機が必要になりますので専門の業者に依頼するのが一番確実です。
必要となる引き抜き強度については架台メーカーに問い合わせをして下さい。基本的に1本あたり1トンほどとなります。
手打ちでグランドスクリューを打てる機械も売っていますが、非常に手間がかかるためあまり利用されていません。
地盤がゆるい際には型枠を使ってコンクリートの基礎を作る工法、またはコンクリートブロックを置く工法を採用します。コンクリートブロックは地域によって価格差が大きいので同じ引き抜き強度を保てて安い方の工法を選ぶのがいいでしょう。
3−10−4 防草シートの設置
太陽光発電所の雑草対策は色々ありますが、管理と跡地利用まで考えると防草シートを施工するのが一番無難です。特別な重機や資格が必要ないため、自作が一番し易い分野でもあります。
防草シートの施工は基礎工事が終わったこの段階で行うのが一番楽ですが、スケジュール調整が出来ないようであれば売電開始後に行っても問題ありません。
防草シートをフェンスの境目までしかしていない発電所をよく見かけますが、フェンスは雑草が育つのにとても良い支柱となってしまいます。防草シートはでくるだけフェンスの外まで施工しましょう。
3−10−5 架台組み立て
架台の組み立て方法については架台の仕入元に問い合わせればわかります。完全に力仕事なので、スケジュールに余裕があり体力に自信もあるようでしたら自作に挑戦してもいいでしょう。ヘルメットと手袋は必須です。
身内や高校生にアルバイトをお願いしたり、仲間内でお互いの発電所を手伝い合う方もいます。
3−10−6 パネル設置
パネルを架台に設置する作業も自作で行う事は可能です。ただしパネルの傾斜角が10度を越えると最後列の高さが上がりますので危険が伴う作業となりますので業者に任せたほうがいいでしょう。
パネルを固定するネジを締める際にパネルのフレームに直接乗る業者いますが、パネルに目に見えないほどの僅かな割れが入るマイクロクラックの原因となります。
マイクロクラックは長期的に見てパネルの発電量低下につながります。フレームに足場用の治具を用意するなどしてパネルに直接乗ることは避けましょう。
太陽光発電の施工歴が長い業者ほど、パネルの上に乗っても平気だと主張しますがそこはきっぱりと否定して下さい。
まだマイクロクラックの存在が知られていない頃、日本の太陽光パネルメーカーは事故を避けるためにパネルの上に乗って作業をする事を推奨していた過去があります。
3−10−7 電気工事・パワコン設置
電気工事を行うには第二種電気工事士以上の資格が必要となります。法令違反になりますし非常に危険なので資格が無いのであれば必ず業者に依頼しましょう。
パワコンはパネル下の架台に設置するのが一般的ですが、パワコンの種類によっては骨付のために最低地上高を指定しているものもあります。
最低地上高を満たした上でパネル下に設置ができないようであれば、パネルを置く架台とは別にパワコン用の架台を作って屋根を設けなければなりません。
屋根を設けることに法的な義務はありませんが、直射日光によるパワコンの温度情報は売電量の低下を招いてしまいますので注意して下さい。
遠隔開始装置や防犯カメラなどをつける際は電気工事と一緒に工事をするのが一般的です。
3−10−8 フェンスの設置
搬入の邪魔にならないよう、フェンスは施工の終盤もしくはパネルの設置後に行う事が多く見られます。もし搬入に差し支えなければ防犯のために造成後すぐに設置をするのが理想的です。
フェンスについては自作でも十分施工できるタイプのものも売っていますので、こちらも自作をしやすい部分となります。
3−10−9 電力網への接続(系統連系)及び売電の開始
最後に電力会社の電力網に発電所を繋げます(系統連系)系統に繋げた直後から売電を開始してもいいのですが、もし初期不良で発電所が稼働しなかった時には、売電開始日を売電開始後から変更することは出来ません。
数日間様子を見てから売電を開始するのが一番確実です。
3−11 初期不良点検
太陽光発電所のトラブルで一番多いのは初期不良です。逆に初期不良だけでもしっかりとチェックを行っておけば、後々のトラブルの発生率を非常に低くすることが出来ます。
3−11−1 パネルの点検
パネルの点検は納品時の目視点検以外は、初期不良として交換してもらえるものだけを発見する事が現実的です。
1枚1枚の太陽光パネルの出力をチェックするのは非常に大変なので、専門の機器を使って故障時に作動するバイパスダイオードが作動していないかをチェックしましょう。
バイパスダイオードが常時動いているのであればメーカーから即交換に応じてもらえます。逆に赤外線カメラで発見するホットスポットは必ず出力低下が伴うものではないので、お金と労力をかけてもメーカーに交換に応じてもらえないケースが多く見られます。
3−11−2 パワコンの点検
晴天時にしっかりと最大出力がでているかをチェックします。低圧の太陽光発電所では同じパワコンを複数台(例えば9.9kWを5台)使うことが多いので、パワコン毎の発電データを比較することによってパワコンまたはパネルの故障を発見することが出来ます。
3−11−3 架台の点検
架台の点検箇所としては、ネジの緩みおよび基礎と架台がズレずに設置されているかどうかの確認が必要となります。
特に架台の最前部のパネルは負荷がかかりやすい場所ですが、チェックもしやすいので必ずネジの緩みを確認しておきましょう。
4 まとめ
・太陽光発電所の自作に一番必要なのは根気 粘り強く挑みましょう
・時間との勝負なのでまずは土地探しと申請を。走りながら考えましょう。
・自作で節約するだけではなく、発電所の評価が出来るようになりましょう.