利回り15%の発電所の情報、どこかネットに落ちて無いかなぁ・・・
こう思って情報収集している方、結構いらっしゃいますよね。
売電単価は18円まで下がりましたが、それと同様に、もしくはそれ以上に発電所の費用がおちていけば収益性は確保できます。
kWhあたりの買い取り単価18円といえば初期の半額以下。
太陽光発電事業の収益性は費用と売電収入のバランスで決まります。
この記事では2018年の太陽光発電の費用の相場や費用を下げる方法を詳しく解説していきます。
そんなに都合よく費用を下げる方法なんてあるの?
とお思いですか。
その通りです。
都合よくは下がりません。
しかし事業者が本当に目指しているのは費用の削減ではなく、利益の増加ですよね。
利益を増加させるために有効だから費用を削減したいわけです。
この記事を読むとあなたの太陽光発電の費用をどこまで下げられるか、どこまで下げるべきかがよくわかります。
自分のやりたいスタイルである程度の費用が決まってきますから、まずは出発点を決めていくことが大事です。
ご自身の投資計画と照らし合わせながら読んでみましょう。
目次
1 2018年 太陽光発電所を作る費用はどのくらい?
さて太陽光発電投資の費用を抑える話の前に、まず実際のところ太陽光発電の費用がどのくらいかかるのかを見てみましょう。
1-1 調達価格算定委員会のデータから見る太陽光発電費用の推移
赤の「全体」と書かれているグラフの背後にこっそりと紫で「10-50kW」のデータが見えます。
ほぼ赤のラインだと思って問題なさそうです。
2012年は1kWあたり42.6万円だったのに対し、2017年は1kWあたり29.8万円でした。
49.5kWの発電所を作るのに約1475万円かかったということになります。
調達価格算定委員会によるとこの数値は中央値です。
これより安く作った方もいますし、これより高く作った方もいます。
また、認定容量のkWあたりで割っているデータですが、実際はパネル容量によって全くコストが変わってきます。
調達価格算定委員会の資料似寄ると2017年の低圧平均過積載率は129%。
49.5kWのパワコンに対してパネルは63kWという計算になります。
2017年のデータにしてはちょっとパネルの量が少なすぎる気がしますが、これは過去の案件がようやく稼働し始めたことが原因でしょう。
1-2 分譲物件を購入した場合の太陽光発電所の費用
分譲物件を自分で購入した場合の費用を見てみましょう。
10%〜11%近辺の分譲物件が並んでいます。
2000万円近辺の物件で、売電収入は約200万円〜220万円近辺ということになります。
分譲業者が販売している物件は、最悪売れ無くても自社で抱えてしまうという考え方も有り値下げ交渉はかなり難しい状況です。
費用を落とすとすればメンテナンスコスト、融資の金利、通信費など「発電所以外の費用」を落としていくしかありません。
1-3 <自作型!>ムラ市場の過積載セットから見る太陽光発電所の費用
一方で発電ムラ市場の過積載セットから太陽光発電の費用を想定してみます。
こちらの「小さな過積載セット」で見てみましょう。
税抜き800万円のセットです。
このセットに仮の価格ではありますが、工事費(スクリュー打ち込み、架台組み上げ、パネル貼り付け、分電盤等電気工事)を組んでみましょう。
私達と連携している工事会社さんのモデル工事費用はkWあたり3.5〜3.7万円(税抜き)です。
もちろん実際は土地の状況や場所によっても変わってきますが、まずはこの価格を根拠としてみます。
そうすると92.16kWでは322万円(税別)となります。
これに諸経費を入れたとしても350万円くらいでしょうか?
そこにフェンスと連系負担金、土地代、監視装置費用などが初期費用になります。
条件さえ揃えば92.16kWのセットで税別1300万円(税別)+土地代くらいで設置することも可能です。
調達価格算定委員会の資料は63kWですから、パネルベースで見るとかなり安く作れるということがわかります。
2 太陽光発電所を最安で作る方法とそのリスク
それでは土地から仕込む自作型の発電所で太陽光発電所を最安値で作っていく方法を考えて見ます。
太陽光発電の費用構成は土地、部材、工事費ですからそれぞれに分けて考えてみましょう。
2-1 土地の費用を落とす方法とメリットデメリット
太陽光発電事業は土地ありき。
まずは土地費用を落とす方法を考えてみましょう。
2-1-1 自分で持っている土地を使う 自宅の屋根を使う
当たり前ですがこれが一番安く手にいれる方法です。
自分で土地を持っている人は大チャンスです。
発電所を作るチャンスでもありますし、土地を処分するチャンスでもあります。
自分で持っていなくても親の土地や親戚の土地などであれば安く売ってくれる可能性もあります。
まずは使っていない土地がないか、親戚・知人に当たってみるのもいいでしょう。
また自宅の屋根が広い場合、自宅屋根に10kW以上のパネルを乗せて20年の売電を行うという手もあります。
自分の家自体が架台になるわけですから実はこれはかなりお得です。
2-1-2 耕作放棄地を利用する
近隣で全く耕作されていない畑や田んぼがあったらチャンスです。
耕作放棄地は社会問題になりつつあります。
現実問題農地として再生させる経済的メリットがありません。
また、農地は日当たりのいい場所であることが多く、太陽光発電にはぴったりの土地なのです。
問題点は2つあります。
一つは全く電気が通っていない土地の場合、電力会社に電線を引っ張ってきてもらう必要があります。
そうすると電力会社に支払う連系負担金が高くなってしまう可能性があるのです。
そしてもう一つは農地を転用して雑種地にできる農地は限られているという点です。
農業振興地域に指定されている場合、その農地は一種農地といって農地転用ができません。
この場合、営農をしながら発電をする「ソーラーシェアリング」という方法が可能です。
少し面倒ですが農業にも経営にもメリットがある方法なので注目を集めています。
デメリットとしては全量売電が終了する20年後の出口戦略です。
耕作放棄地というのはかなり価値の低い土地です。
その土地で売電事業以外の使い道があるかどうかはかなり怪しいですよね。
土地を購入した場合、固定資産税が発生しますからせめてその分くらいは稼げるような出口戦略が必要です。
2-2 部材の費用を落とす方法とメリットデメリット
次は部材の費用を落とす方法です。
ここから先は費用を落とした分だけリスクが高まる場合があります。
その点は自分でリスクを背負う必要がありますので注意してください。
2-2-1 パネル・パワコンの費用を落とす方法とデメリット
パネルとパワコンの費用を落とす方法は何があるでしょうか?
物は一般的に「先に現金で買う」「大量に買う」とやすくなるという特徴があります。
先に買うということはそれだけリスクです。
大量に買うというのもなかなか難しいですよね。
それをやっているのが商社です。
では個人が安く買う方法は何があるでしょうか?
それは「安い時に買う」「信用の低いメーカーのものを買う」ということに尽きます。
例えばその商社の期末やメーカーの期末には「売り上げ目標達成」のための割安品が流れてくることがあります。
また最近国内のパワコンメーカー田淵電機がADRという債権放棄交渉を銀行に持ちかけました。
このメーカーの値段も下がりそうですよね。
こう言った訳あり品が出てくるメーカーというのは販売に苦戦しているメーカーということになります。
20年の保証を考えた時、ちょっと不安になる面もありますよね。
そこが最大のデメリットです。
2-2-2 架台の価格を落とす方法とデメリット
課題の価格を落とす方法もご紹介しますが、個人的にはあまりお勧めしません。
それは単管架台と呼ばれる簡易的な架台を組む方法です。
しかしこの方法は架台メーカーによる構造計算がなされていませんし、杭もスクリュー杭のように引き抜き強度が高いものでは無い場合がほとんどです。
このような場合は風で引き抜かれてしまうようなケースや、降雪時には雪の重みで架台が沈み込んでしまう場合もありえます。
また最大のリスクは「太陽光発電の架台はJIS基準に準ずること」という太陽光発電の設置ガイドラインに適合していないとみなされる可能性が高いことです。
最悪、認定取り消しになるリスクがゼロではありません。
架台は利益を産まないので「安く抑えたい」と思う方も多いのですが、ここがしっかりしていないと20年の事業が続けられないので大変なことになってしまいます。
このコストは落としすぎないことをお勧めします。
2-3 工事費用を落とす方法とメリットデメリット
工事費用も悩ましいところです。
よくある相談が「パネルの貼り付けと配線は自分でするので、電気工事士の資格が必要なパワコンと分電盤の部分だけを電気工事屋さんにお願いしたい」というご相談です。
この方法であればもちろんコストは下がります。
しかしコストが下がるということはそれだけ自分の責任が重くなるということです。
例えば発電不良が見つかったとします。
その場合、電気工事の部分が原因なのか、それともパネルが原因なのか、パワコンが原因なのか、パネルの貼り付け施工が原因なのかわかりませんよね。
最低限、この原因の究明は自分でやる必要が出てきます。
また、相見積もりを複数社でとって一番安い工事金額で工事を依頼しようとした場合も要注意です。
安い工事には原因があります。
それだけ安い材料、安い人件費の職人さんを使っていることになります。
値切れば値切っただけの施工になってしまいます。
20年運用するとなると果たして初期投資は損なのか得なのかということは良く考える必要があります。
過度な値切り交渉はご法度です。
3 運用中にできる発電所の管理費用の低減方法
では分譲の太陽光発電所を購入した方ができる費用の低下方法はどんなものがあるでしょうか?
実質的には管理費用の部分しかありません。
この章ではランニングコストの部分を見ていきます。
3-1 太陽光発電の運用費用 メンテナンスコストの下げ方
太陽光発電所のメンテナンスコストとそのコストの下げ方をまとめてみました。
このような形です。
日常点検は監視装置をつけていれば、とりあえず発電所が正常に動いているかを自分で監視することができます。ほとんどの方がここを業務委託にはしていませんよね。
現実的には下げられるのは除草費用くらいです。
発電所1基であれば、自分が趣味だと思って除草作業をすることも悪くはないと思います。
しかし、病気になった時や休みが取れない時は難しくなってしまいます。
自分が動く時給と比較して「高い・安い」「儲けた・損した」を考えていく必要があります。
3-2 太陽光発電の運用費用 ランニングコストの下げ方
それではランニングコストを落とす方法を考えてみます。
3-2-1 保険費用の落とし方
保険費用に関しては不要な保険には入らないという落とし方になります。
例えば3年前に2500万円で買った発電所があったとして、今取得するといくらなのかということです。
高い売電単価で権利費用がのっかっている場合、再取得価格はかなり抑えることができるはずです。
この場合小さい保険に入ることでコストを抑えることができます。
3-2-2 償却資産税の落とし方
ここは3年間の減免措置が使えます。
中古の発電所では使えないのでご注意ください。
3-2-3 税理士費用
必死に利回りの高い発電所を探している人も、意外と確定申告を税理士さんにお任せしている人がいます。
やってみると意外と簡単です。
もちろん簿記の知識は必要になりますが、太陽光発電事業は売り上げが年に12回しかありません。
個人的な感想ですが、自分でやってもなんとかなるレベルのように思います。
4 どちらを選ぶ?費用の最小化・機会の最大化
これまで費用を落とす方法を色々と考えてきました。
なぜ費用を落としたいのかといえば「収益の最大化」をしたいからですよね。
3章をお読みになった方はわかると思いますが、費用を落とすために「自分が動く」という選択肢を利用しすぎるのは本末転倒です。
自分の時給・年収が安い人は自分で動けばいいと思いますが、自分の時給・年収がある程度高い人は「自分で動く」という選択は逆に収益を圧迫してしまいます。
個人事業主というのは経営者であり社長です。
社長は経営的な決断を下すのが一番の仕事で、日々の業務は安い人件費で代替していくのが理想です。
社長が業務に忙殺され、次の物件の情報や投資機会を逃してしまうことが一番の損害なのです。
そういう意味では最大の費用は自分の人件費です。
収益の最大化をするには「簡単に落とせる費用は落とす、それ以降は無理に落とさず、複数基の保有を目指す」ということが一つの答えです。
5 まとめ
土地を持っている人、相続予定の人は大チャンス!
土地の情報が手に入る人も大チャンス!
⇨ 申請代行を依頼すれば20年の売電権利を取得できます。
⇨ また土地の売却もご相談ください。
これらの情報が手に入らない人も「分譲物件(土地付き太陽光発電投資)」であればチャンスあり
⇨ 発電ムラ市場で分譲情報が探せます
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