
使い道のないこの空き地、何か有効利用する方法があったりしないかなぁ。。。 でも買い手がつかない空き地なんか使い道はないよなぁ。。。
荒地、放置された農地、空き地など「使っていない土地」「相続しても迷惑な土地」で悩んでいる方。
または他人の土地とはいえ荒廃した農地、空き地が気になってなんとか利用できないかとついつい考えてしまう方。
そんな方にぴったりなのが「太陽光発電を使った空き地利用」です。
日が当たる土地で、道路につながっていて、ある程度まとまった広さがあれば可能なのが太陽光発電。
通常の使い方だと無価値な土地も太陽光発電的には実は一等地に生まれ変わるなんてこともありえます。
でも太陽光発電所を個人が設置するなんて大変なんじゃないの???
そう思う方も多いと思います。もちろん初期投資費用が必要ですし、完成後は管理をしていく必要があります。
太陽光発電事業を進めている人に案外多いのがサラリーマンや公務員など安定した職業に付いている方です。
そして太陽光発電は適切な管理さえしてしまえば20年間安定した収入が見込める事業です。
便利な土地であればアパートやマンションにしてしまうことも可能でしょうが、価値の低い空き地ではなかなかそうはいきませんよね。
もちろん、太陽光発電を生活の糧にしている人もいるくらいですから、プロに声をかければ土地自体を売却することも可能です。
この記事を読めばどんな空き地が太陽光発電に向いているのか、実際に太陽光発電をするには何が必要なのか、メリットとデメリットはどんなものがあるのかがよくわかります。
あなたの悩みである空き地。
それが20年間で累計1000万円以上のお金を生み出す宝の山に変わります。
目次
1 太陽光で得られる利益はどのくらい? 20年で手残り1000万円の利益が期待できる安定事業
まずは太陽光発電で得られる利益を見てみましょう。
せっかくやるのですから利益が出ないと意味がないですよね。
この試算では20年の合計収入は約11,002,909円です。
(隠し記事)
試算条件
パネル100kW
パワコン49.5kW
年間105,000kWh売電(ピークカット後)
金利1.6%
15年返済
システム+工事費用1300万円(税込)
土地代+連系負担金160万円
自己資金200万円
融資総額1260万円
メンテナンス費用 年間15万円(事故補償対応のついたO&M契約+年間5万円の除草対策費)
パワコン交換費用年間5万円積み立て
撤去費用は現在資源エネルギー庁で議論している最中なので今回は計画外とする
(ここまで)
太陽光発電事業は固定価格全量買い取り制度という国が定めた制度で運営されている超安定事業です。
アパートやマンション、駐車場の経営などと異なり空室リスクがありませんから20年間安定した運営が期待できます。
地価の安い、不便な土地でも長期安定事業ができるのが人気の秘密です。
1-1 太陽光発電の儲けの指標 利回りって何?
太陽光発電について少し調べると「利回り」と言う言葉が出てくることに気がつく方が多いと思います。
利回りというのは投資の一般用語で「初期投資総額に対し、どのくらいの売り上げが初年度に期待できるか」という指標です。
1400万円の発電所で140万円の売電収入が期待できる物件は利回り10%と言うことになります。
1章のシミュレーションの発電所は1300万円の発電所と土地代+連系負担金(電力会社に払う接続料のようなもの)が160万円。
合計初期コストは1360万円。
それに対し、売電収入は158万円と想定しています。この発電所の利回りは10.87%と言うことがわかります。
一般的な不動産投資などでは利回りは3〜8%くらいです。
それと比べると太陽光発電事業の利回りの良さは歴然ですね。
1-2 太陽光でかかる費用はどのくらい? 初期費用とランニングコスト
いくら安定した売電収入が期待できたとしても、初期費用、ランニングコストが高すぎて結局元が取れないのでは意味がありません。
それはそれぞれのコストを見ていきましょう
初期費用はどのくらいかかるものなのでしょうか?
パネル・架台・パワコンを販売している太陽光発電ムラ市場では100kWのセットをこのくらいの価格で販売しています。
約100kWで税抜き865万円と言う金額です。
これに工事費がかかる形になります。
工事費は概ねパネルkWあたり4.5万円前後です。100kWだと約450万円になります。
合計すると概算1300万円前後ということがわかります。
もちろん工事金額は時期や地面の状況、場所によっても変動します。
またパネル等部材の価格は毎年値段が下がる傾向がありますから、この金額よりも低い金額で発電所を作ることも不可能ではありません。
毎年かかるランニングコストはいくらくらい?
それはランニングコストはいくらくらいかかるのでしょうか?
ランニングコストには以下のようなものがあります。
- 太陽光発電システムの固定資産税 初年度24万円程度から毎年減少していく
- 土地の固定資産税または土地賃借料 5万円〜15万円前後
- 年間保険料 内容により2万円〜10万円
- メンテナンス費用 2万円〜20万円
- 金利 1〜3%
- パワコン交換費用 年額5万円程度を積み立て
このようなものがランニングコストになります。
メンテナンス費用の中身は雑草対策費用、年次点検費用、監視装置の通信費です。
時間に余裕が有る方であれば雑草対策などを自分でやればメンテナンス費用を減らすことができますが、時間に余裕がない方はメンテナンス費用は業者に委託したほうが無難です。
年間保険料は内容によりますが年間2万円程度からになります。
>> 保険に関する詳しい記事はこちら
パワコンはパワーコンディショナーと言ってパネルが作った直流の電気を交流に変換する装置のことです。
通常、50kW未満の低圧発電所は5〜9台のパワコンを使います。
10年近辺でこのうちの何台かは経年劣化による故障が見込まれますから計画的に積み立てておく必要があるのです。
1-3 初期費用はどうやって用意する? 銀行が積極的に太陽光発電に投資する理由
1ー2で述べたランニングコストは売電収入の中から用意することが可能です。
それでは初期投資費用はどのように用意すればいいのでしょうか?
500万円近い金額は大金ですよね。
なかなか持っている人は少ないのではないでしょうか?
私は1基目の発電所を買うときは230万円の自己資金と、2000万円の銀行融資で2230万円の発電所を購入しました。
私の属性はベンチャー企業に再就職して3年目のサラリーマンです。
晴れた日に傘を貸すと言われる日本の銀行ですが、私は銀行からするとあまり「貸したくない」タイプの属性だったはずです。
しかしそれでもしっかりと資料を作り、粘り強く銀行と話をしていくことで2000万円の融資を受けることができました。
もちろんいきなり銀行に行って「お金を貸してください」と言ってすぐに融資が決まることはありませんが、社会的に必要な事業であることや事業の安定性をきちんと説明することができれば事業の内容を見てくれる金融機関は案外あります。
家族の理解、事業への自分の理解を高めれば銀行融資を引き出すことはそこまで難しいことではありません。
2 田舎の土地でも長期間の安定収益が期待できる太陽光発電
さて、第2章では太陽光発電事業の事業性について説明していきます。
20年も続く太陽光発電事業ですから、即断即決という訳にはなかなかいきません。
しっかりと事業の内容を理解し、リスク、利益、メリット、デメリットを把握しておきましょう。
事業の全体像を把握しておけば大部分のトラブルは未然に防ぐことができますし、もしトラブルが起こったとしても素早く対処することができます。
2-1 太陽光発電で安定収益が得られる仕組み 固定価格買取制度って何?
この事業の最も重要なポイントは「国が定めた再生可能エネルギー促進の仕組みを使った事業である」ということです。
制度の中身は「再エネで生み出した電気は一定の価格で20年間全量を買い取ることを国が保障する」と言うものです。
2019年に資源エネルギー庁から事業計画の認定を受けた発電所は1kWhあたり14円という単価で買い取ってもらうことが決まります。
この単価は20年の事業で途中で変わってしまうということはありません。固定価格なのです。
これがマンションや駐車場投資だったらどうでしょうか?
周辺地域の人口が増え続ける土地であれば賃料収入が上向くことが期待できますが、そうでない土地の場合むしろ賃料が下降していったり空室リスクが発生することは目に見えていますよね。
つまり太陽光発電事業は土地が安く、日当たりのいい土地であれば20年間安定した利益が期待できる事業なのです。
このことから「空室のないマンション」と言われることもあります。
いかに安定した事業であるかよくお分り頂けたと思います。
1章で掲載した「太陽光発電事業の収入」というグラフをもう一度見てみましょう。
このグラフは太陽光発電事業を実施しつつ、必要なコストをすべて差し引いた最終的なお金の残り「キャッシュフロー」を表しています。
年間30万〜40万円という金額は「ガポガポ儲かる!」というほどではありませんが、それでもリスクの極めて低い「超安定投資」としては大きな利益と言えます。
発電所を2基も持ったら一ヶ月に7万円前後の副収入が手に入るということになります。
今の生活に7万円の余裕があったらあなたの人生は変わりますよ。
2-2 固定価格買取制度のデメリット・リスクは?
次に固定価格買い取り制度を使った太陽光発電事業のデメリットやリスクを上げていきます。
<デメリット1>確定申告をしなければいけない
まずはこれです。
事業用太陽光発電は事業所得と言って確定申告をしなければならない所得になります。
会計の基礎的な知識があれば自分でやることもできますが、自信がない方は税理士さんと相談することになります。
毎年2月になると「今年も確定申告かぁ・・・」と憂鬱になる方もいるそうです。
もっとも、ちゃんとした知識があれば、新聞や携帯電話や車のコストも一部は太陽光発電事業のコストにすることが可能ですから「実は確定申告が趣味なんです」という方もいるようです。
<デメリット2>税金を収めなければいけない 大儲けした人は要注意
そして事業と確定申告が出てくると次に出てくるのが税金です。
利益の額によっては所得税や住民税が新たにかかる(課税される)ことがあります。
実際は青色申告をすると65万円の利益までは「特別控除」と言って利益から差し引くことができますから低圧の発電所1基、2基では実はあまり心配する必要はありません。
一方で発電所の償却資産税や土地の固定資産税の支払いは結構大きな金額になります。実際には取得翌年からかかってくるので発電利益から支払うことができます。
<デメリット3>副業バレのリスクがある 普通徴収を選択する必要あり
サラリーマンで一番気にする人が多いのはこれではないでしょうか?
勤め先に副業バレしてしまうというリスクです。
これは確かにばれたら面倒ですよね。
以前は副業で所得が上がり、住民税が上がってしまったという人が会社にバレるというのが定番でした。
これは確定申告の際に「普通徴収」というものを選ぶと防ぐことができます。
今は厄介なのはむしろ経済産業省が公表している「発電事業者リスト」です。
個人レベルで発電所を持った場合、会社側が本気で調べようとするとあっという間にばれてしまいます。
このリスクが気になる方は、奥様やご家族の名義にしたり法人を作って法人名義にしておくというのが安全です。
<デメリット4>天災や故障により損害が出ることがある 借金をするということはリスクを背負うという事
ローンで太陽光発電所を買った方はこのリスクを背負う事になります。
台風でパネルの3分の1が飛んでしまった。
水害で発電所が一部水に浸かってしまった。
雷でパワーコンディショナーの基盤が故障してしまった。
これは明白なリスクですよね。
こういった自然現象のリスクの大部分は火災保険に加入する事で対処できます。
銀行融資で発電所を買われた方は保険に入っておく事をお勧めします
<デメリット5> 時間を取られる
サラリーマンにとって貴重な土日。
家でゴロゴロしていたいですよね。
残業で帰ってきた夜。
だらだらしていたいですよね。
でも太陽光発電事業を始めようと思ったら、その時間に新たな知識を身につける必要があります。
始めたら始めたで、草刈りや見回りもでてくるでしょう。
新たな土地を契約しようとしたら現地確認、境界確認、契約と意外と休日が潰れてしまいます。
安定収入を得るにはそれなりに対価を支払わなければならないのです。
2-3 どんな人が太陽光発電事業をやっているの?
さて、ここまで読んできてみなさんどんな感想をもたれましたか?
「自分もやってみたいなぁ・・・」
「いやぁ、普通のサラリーマンじゃぁ無理でしょ・・・」
実は低圧太陽光発電所を持つ方は私のようなサラリーマンもすごく多いんです。
サラリーマンのいいところは何と言っても銀行融資を組みやすいところ。
住宅ローンや車のローンなら「どこそこに勤めています」という情報と過去ブラックリストに乗った経歴がなければも半分以上通ったも同然です。
発電事業の融資の場合、もう少し事業知識が必要ですが本気で事業をやる気持ちさえあればクリアできるレベルです。
医者や公務員だとさらに有利です。公務員には「副業の壁」が有りますが、ご家族や法人を使ってクリアされる方もいます。
自営業や農業をされている方はどうすればいいのかというと・・・
組合や信用金庫の出番です。
農業であれば農業協同組合はまず声をかけるべき金融機関になります。
また自営業の方もすでにお付き合いのある組合や信金に相談してみてください。
案外道が開けるものです。
2-4 太陽光に向いていない土地は?
太陽光発電に向いていないという土地も残念ながら存在します。
<日当たりが悪い>
一番致命的なのは「日当たりの悪い土地」です。
当然ながら発電しないと意味がないからです。
太陽は東から南を経由して西の空に沈んでいきます。
このルート上に遮蔽物がどれくらい少ないかが重要です。
<地価が高い>
次に向いていないのは「地価が高い土地」です。
土地は所有しているだけで税金が発生します。
地価の高い土地は利便性がある土地ですから他に使い道があるはずです。
太陽光以外の使い道も検討してみましょう。
<接道や電柱の有無>
案外盲点なのがその土地が道路に接しているかと周辺に電柱があるかという点です。
接道がなされていない土地の場合、電力会社が電線をつないでくれませんから売電することが不可能になります。
また、接道はしているんだけど周辺に電気が来ていない土地の場合は電力会社が送電網を引いてくる必要があります。そしてその費用は連系負担金と言って発電事業者が負担しなければならないのです。
通常負担金は30万〜70万円前後です。これが1億円もかかると言われたら事業性どころの話ではなくなってしまいます。
<一種農地>
事業展開が難しいという意味では一種農地も難しいです。
二種農地であれば農地転用が可能ですが、一種農地はまず不可能ですから営農を続けることが義務付けられてしまいます。
1ha程度の広大な面積であればプロに相談してもらえば事業化することも不可能ではありませんが、1000平米近辺の農地だと逆に難しくなってしまいます。
3 実際に太陽光を始める方法
さて、それでは実際に太陽光発電を始める方法を見ていきましょう。
この記事は「空き地利用」をテーマにした記事ですので「始め方」に関しては全体的に述べますが、詳しい部分はリンクを貼っていきます。
まずは全体の流れを理解しましょう。
3-1 まずは土地の取得と認定申請を!
何はなくともこれが肝心です。
太陽光発電事業はパネルやパワーコンディショナーなどの部材も大事ですが一番大事なのは土地と権利なのです。
一度取得した権利は3年間以内に売電開始する必要があります。
逆に言うと3年間の時間が作れたわけです。
その間に部材のコストが下がることもあるでしょうが売電単価は下がりません。
2019年度のkWhあたり14円の単価でも3年後であれば全然元が取れるはずです。
太陽光発電の権利申請は >> こちらで代行依頼が可能です。
3-2 初期費用の見積もりと工事の概算コスト
権利を取得するということを前提にした上でまずはどれくらいのコストがかかるか考えてみましょう。
雪の降らないエリアであれば900〜1000平米くらいの土地があると300枚近辺のパネルを設置することが可能です。
その場合の部材費用は大まかに言うと800万円〜900万円です。
また、工事費用はパネルkWあたり概算4万円近辺ですから400万円近辺です。
ということは大まかに言うと1200万〜1300万円くらいが100kW近辺の発電所のコストになります。
あとはこの金額で発電所を作って20年で元がとれるのかを考えていくことになります
3-3 売電収益の見込みはどう計算する?
次に売電収入の見込みを見ていきましょう。
売電収入はパネルのkW数をベースに1050をかけた数字が肝になります。
例えば100kWの発電所の場合、1050をかけると 105000という数字が出てきます。
この数字が大まかな年間発電量です。
年間10,500kWhの発電が期待できるという意味です。
この数字はあくまでも経験則です。
私が住んでいる新潟はもっと日射が悪いので950程度になりますし、四国や九州では1100〜1200程度になることもあります。
3-3 これくらいならチャレンジできるかもしれない!ざっくり計算の仕方教えます
前述した通り、2019年の売電単価はkWhあたり14円です。
年間10,500kWh発電すると年間150万円近辺の売電収入になります。
大まかな考え方をするとこの売電量10年分でシステム費用をまかなえるのであればビジネスとして成り立つという考え方があります。
20年の事業ですから儲けを出す時間は十分残っています。
土地の取得費用がかからないのであればこの計算で十分ですし、もし取得費用がかかるのであれば先に権利だけ取得しておいて、もっとパネルや部材の価格が下がってきたところで発電所を立ててしまうという手も使えないわけではありません。
3-4 土地の取得はどうすればいい?
自分で持っている土地であれば話は簡単なんですが、そうでない場合はどうすればいいでしょうか?
この場合、認定申請を進めるにはまずは土地の売買契約または賃借契約を進める必要があります。
売買契約をする場合は認定が取れないリスクも考え「停止条件」をつけるのを忘れないようにしましょう。
その上で売買契約を進めた上で認定申請を進めます。
土地が農地だった場合は要注意です。
農地法という法律で農地の目的外使用は厳しく取り締まられています。
二種農地という区分の場合は農地転用という方法で雑種地に戻しながら発電事業をすることが可能です。
一種農地の場合は農地転用ができません。
この場合はソーラーシェアリングという方法を使う必要がありますが、農業を維持しながら発電事業をする必要があります。
1haを超えるような大きな農地の場合は申請ごとプロに委託する形でシェアリング事業も不可能ではありません。
ぜひご相談ください。
まとめ
・用途のない負動産とかした空き地の利用は太陽光発電が極めて有効です
・事業性を荒く弾いたら、まずは認定の取得を取得しましょう
・ギリギリ事業性がないな。。。ぐらいなら3年計画にして申請してしまうと言う手も有効です。
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