長期で安定した収益を見込める事業がないかな?銀行にお金を預けても低金利でこの先不安だなぁ。
と悩んでおられる事業者さんや個人の方は多いでしょう。
そんな悩んでおられる方に、長期で安定した収益を見込める事業をご紹介いたします。
それは「太陽光発電事業」です。
しかし、太陽光発電に関する知識を得ないまま、太陽光発電事業を始めると、事業用に借りたお金を返すだけで事業が終わってしまう。または事業がマイナスになってしまうこともあります。
だからこそ、しっかりとした知識つける必要があります。知識を得ることで、太陽光発電事業で、安定した収益、利回りを確保することが可能です。
今回は、太陽光発電事業を考えておられる方に、どのようにすれば事業を始めることができるか、また始めた場合の利益や利回りについて解説していきます。
1 太陽光発電事業を始めるには
太陽光発電事業と聞くと、大規模なメガソーラーなどをイメージされる方がいらっしゃいます。
メガソーラーというのは、1000kW以上のいわゆる高圧発電所になります。
しかし、法人や個人の方でも多くの方は、50kW未満のいわゆる低圧発電所を所有し事業をしておられます。
理由は、高圧発電所よりも初期費用、ランニングコストがかからず、始めやすいからです。
また、太陽光発電事業と聞くと、売電し収益を得るという事のみだと考えがちですが、部材販売やメンテナンスも太陽光発電にかかわる事業です。
今回は主に、法人や個人の方でも多くの方が所有しておられる、低圧発電所に焦点をあて太陽光事業についてお話していきます。
ここで、しっかりと太陽光発電に関する知識を得ることができれば、太陽光発電事業は、非常に魅力的な事業になります!
1-1 太陽光発電事業とは
太陽光発電事業とは、太陽光パネルを設置し、太陽光パネルで発電した電気を電力会社に売電(固定価格買取制度)することで収益を得る事業のことです。
その発電事業も大きく分けると2種類あります。
・50kW未満の低圧発電所 ← 今回の記事はここがメイン
・50kW以上の高圧発電所、特別高圧発電所
50kW未満の低圧発電所は、50kW以上の高圧発電所、特別高圧発電所に比べると、太陽光パネルを敷き詰めるための大きな土地も必要なく、法人、個人でも始めやすい事業になります。
・規模が大きくなるほど、初期費用、売電収入は増える
※日照条件によって売電収入予測は変わります。
50kW以上の高圧発電所は、高大な土地が必要になり、さらに高圧発電用の設備であるキュービクルも必要なため、初期費用が高くなります。また、高圧発電所の管理は電気主任技術者に依頼する必要がある為、ランニングコストも、50kW未満の低圧発電所に比べ高くなってしまいます。
初めて太陽光発電事業を考えておられる方は、「50kW未満の低圧発電所」から始まられることをお勧めいたします。
・固定価格買取制度
固定価格買取制度(FIT)とは、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーで作った電気の買取価格を法律で定める制度のことです。東北大震災後の2012年7月に始まった制度で、再生可能エネルギーの普及を促進するために開始されました。
固定価格買取制度では、経済産業省、電力会社に申請を出した年度により買取価格が決定し、その価格で10年間、または、20年間収益を得ることができます。
固定価格買取制度は、2種類に大きく分けることができます。
・10kW未満の余剰売電(余剰買取制度) → 10年間電力を固定買取
・10kW以上の全量売電(全量買取制度) → 20年間電力を固定買取
一般的に法人、個人が事業として、利用する制度は、「10kW以上の全量売電(全量買取制度)」になります。
こちらの制度を利用し、20年間安定した収益を得ることを目的とし事業を実施します。
・各年度における買取単価
※kWhあたりの買取単価を示しています
例えば、今年度(2017年8月現在)申請を出すと、21円/kWhの価格で、発電した電気を買い取ってもらうことができます。
また、固定価格買取制度に関しては、以下に詳しく書いてありますので参考にしてください。
1-2 太陽光発電事業の利回りについて
太陽光発電事業をお考えの方は、どれだけの利益を得ることができるか、気になるところですね。
こちらでは、低圧発電所に絞り、太陽光発電事業の収益と利回りをご紹介いたします。
先ほどもお話ししましたが、太陽光発電事業では、申請した年度により買取価格が違います。
それによってもちろん収益も違ってきます。
例えばですが、年間60000kWh(茨城県)の発電量があったとした場合どれくらい年間収益が見込めるか表にしてみました。
ちなみに、2016、2017年度を過積載(例えば95.4kWの太陽光パネル)したと想定すると、年間発電量が11000kWh(茨城県)ほどというシミュレーションになります。
・2017年度は14.26%の高利回り
※売電収入 ÷ 設置費用 × 100で試算しています。
平成2016年度、2017年度からは、太陽光パネルの容量を大幅に増やす過積載を実施し、太陽光発電所を設置する方がほとんどです。
平成2012~2015年度 → 49.5kWの太陽光パネル
平成2016~2017年度 → 50kW以上の太陽光パネル(過積載)
過積載についての詳しい内容はこちらを参照ください。
また、年々設置費用も下がってきているので、それらを考慮し、利回りを試算すると、売電価格が高い2012年度よりも明らかに、施工費が大幅に下がってきた2016年度、2017年度の方が投資効率は高いと言えます。
つまり、2017年度太陽光発電事業を実施しようと考えの方にとっては非常にチャンスです!
1-3 太陽光発電事業の今後について
太陽光発電事業の今後についても気になるところです。
先ほど、お話ししたように、年々固定価格買取制度の買取価格は下がってきています。
上記の記事でも予想したように、2018年度も2円ほど下がり19、18円になるのではと言われています。
・今後は年々買取価格も下がっていく
先ほど出てきた過積載で発電量を稼ぐことは可能ですが、過積載の容量も限界があります。
また、太陽光パネルやパワコンの価格も年々下がり、設置費用も安くなっていくという事は予想されますが、それでも、買取価格が大幅に下がってしまうとなかなか利益を上げることはできなくなっていくと考えられます。
上記記事の「4-4 趣味の過積載 300%過積載の発電所」にあるように、思い切り過積載をして、売電できない余った電力を蓄電池にため、夜に売電するという方法もあるのではないかと考えられています。
しっかりと、この仕組みが構築されれば、今まで同じ、あるいは今まで以上に利益を得ることができるのではないでしょうか?
まだ、こちらの仕組はどうなるか様子見と言うところがあります。
固定買取制度はまだまだ無くなりませんが、少しでも得をしたいと考えるのであれば、1円でも2円でも買取価格が高いうちに早く経済産業省、電力会社に申請を出すことをお勧めいたします。
1-4 太陽光発電におけるいくつかの事業
太陽光発電事業というと、太陽光発電所を設置し、売電を行う事業と考えがちですが、その他にも、太陽光発電に関わる事業はあります。
以下のような事業もありますので、一応検討してみてはいかがでしょう?
・土地探し
太陽光発電所事業を行おうとする場合、まず必要になってくるのが土地です。
太陽光に適した土地を見つけるのは一苦労あり、需要があります。
普段から土地を扱われている、不動産業をされている方が向いている事業と言えるでしょう。
・分譲販売
太陽光発電所を、土地付きで丸ごと販売する事業です。
例えば以下のサイトがそれらの事業になります。
・グリーンエネルギーナビ
・ブローカー
過去に経済産業所、電力会社に発電所を設置する権利だけを申請して、それらの権利を売るという事をされている方もいます。
こちらも、不動産業をされている方が情報を持っておられる場合があります。また投資関連の仕事をされている方が権利情報を持っておられるという事もあります。
・部材販売
太陽光発電関連の商品を扱う事業です。
・太陽光パネル
・パワコン
・架台
などを、太陽光発電所を設置されるお客様に販売する事業になります。
例えば以下のサイトがそれらの事業になります。
・グリーンエネルギーナビ
グリーンエネルギーナビは複数の業者から見積がもらえる、一括見積サイトです。
部材、施工費の相場を知る為には役に立つサイトです。
・施工、電気工事業
太陽光発電所の設置を行う事業になります。
太陽光発電所を設置する場合以下の作業を行う必要がございます。
・架台の設置
・太陽光パネルの設置
・パワコン、ケーブルなどの電気工事
これら上記の設置作業を行う事業となります。
現在、建築、電気工事をされている業者は参入しやすい分野です。
・メンテナンス
太陽光発電所を設置した後、メンテナンスは必須になってきます。
また、2017年4月から改正FIT法により、メンテナンス契約が義務化されます。
●新制度では、事業開始前の審査に加え、事業実施中の点検・保守や、事業終了後の設備撤去等の順守を求め、違反時の改善命令・認定取消を可能とする(第9条・第13条・第15条)
●景観や安全上のトラブルが発生している状況に鑑み、事業者の認定情報を公表する仕組みを設ける(第9条)
これは、設置済みの発電所、設置予定の発電所すべてに適用されますので、これからこちらの事業に参入する方はチャンスです。
事業内容としては、太陽光パネル、パワコンの点検が主な業務となります。
・メンテナンス内容の一例
- 年1回のパワーコンディショナー(PCS)の点検
- 年1回のストリング回路抵抗点検(太陽光アレイテスターソコデス使用)
- 年1回のストリング電圧点検(太陽光アレイテスターソコデス使用)
- 目視によるパネル・架台等の点検(巡回点検と同内容、年1回)
- 上記のストリング点検に合わせて、絶縁測定・接地測定、PCS・交流集電箱等のネジ部の増し締め確認
- 【巡回点検】目視によるパネル・架台等の点検(定期点検とは別に年1回)
- 【緊急駆け付け】緊急時の駆け付け対応(年2回まで無償)
などを行う事業です。
こちらのメンテナンス業は、電気工事をされている業者さんが参入しやすい分野になります。
興味のある方は検討してみてはいかがでしょうか?
2 太陽光発電事業はどうすれば始められるか?
先ほどの章では、太陽光発電事業とはどのような事業かについて説明しました。
この章では、太陽光発電所を設置し、売電で収益を上げる為の太陽光発電事業についてお話していきます。
それでは、実際に太陽光発電事業を始めるためには、どのようにすれば太陽光発電所を所有できるのでしょうか?
所有方法は2パターンあります。
・土地付き分譲案件を購入する方法
・土地を探し自分で太陽光発電所を設置する方法
これらについて説明し、それぞれの利回りについて解説していきます。
「土地付き分譲案件を購入する方法」は、現在手元に資金があり早く事業を実施したい人にはお勧めです。
「土地を探し自分で太陽光発電所を設置する方法」は、土地が探せる人、土地を持っている人、土地の情報が集まりやすい人にはお勧めです。また、こちらは、分譲案件よりも利回りが良くなります。
2-1 土地付き分譲案件を購入する方法
まずは、土地付きのいわいる分譲案件を購入する方法について説明します。
以下のサイトにアクセスし、契約すれば購入することができます。
・グリーンエネルギーナビ
あまり手間もかからず、手っ取り早く太陽光発電事業をしたいと思う方にとってはいいでしょう。
分譲の太陽光発電所は「土地が安くて発電量が多い場所」に設置されるため、お住いの地域の近隣で見つかるとは限りません。
また、自分で太陽光発電所を設置しようとする場合、部材調達、施工、メンテナンスなど様々なスキルが必要となりますが、分譲の場合はほぼ全て業者が代行してくれます。
分譲案件を購入する方法だと、太陽光発電事業者としての自身の大きな成長は見込めません。
今後のためにも一度は、ご自分で土地を探し、事業を始められることをお勧めします。
分譲に関する詳細な内容は以下を参考にしてください。
2-2 土地付き分譲案件を購入した場合の利回り
上記の図からも分かるように、分譲の場合、多くの経費が掛かる為、土地を探し自分で太陽光発電所を設置する方法より、利益が下がってしまいます。
先ほどご紹介したサイトを参照していただければわかりますが、それでも、8%~12%ほどの利回りは見込めます。
しかし、土地を探し自分で太陽光発電所を設置した場合に比べるとどうしても、利益が出ない分利回りも下がってしまいます。
そういった意味でも、ご自分で土地を探し設置することにチャレンジすることをお勧めします。
2-3 土地を探し自分で太陽光発電所を設置する方法
次は、自分で土地を探し、その土地に太陽光発電所を設置する方法について説明します。
すでにご自分で土地を所有されている方であれば、土地を探す必要がないですが、ほとんどの方は太陽光発電所用の土地を探す必要があります。
土地を探す方法としては
・親類、友人などできるだけ多くの人に余っている土地が無いか確認する
・不動産屋に行って土地が無いか確認する
・インターネットの不動産サイトで土地が無いか確認する
・耕作放棄地などがあれば、そちらの持ち主さんに直接交渉する
という方法があります。
また、さらに詳しい内容に関しては、こちらの記事を参考にしてください。
ご自分で土地を探し、その土地に設置する場合、太陽光発電用の部材、施工をご自分で手配して設置する必要があります。
また、施工会社に部材、施工を一括で発注することも可能ですが、できるだけ設置票を下げる為に、部材、施工を別々に発注する、分離発注がおすすめです。
一括発注の場合2400万円程の費用がかかりますが、分離発注の場合は、こちらの価格よりも最大900万も安くなります。
分離発注に関する詳しいことは、こちらを参照ください。
2-4 土地を探し自分で太陽光発電所を設置した場合の利回り
先ほどもでてきた分離発注で部材、施工を実施した場合、設置費用を抑えることができます。
また、2012年度から比べると、2017年度は設置費用が大幅に下がってきました。
そして、年々蓄積されたノウハウを使い、発電量を稼ぐ(過積載)こともできるようになってきています。
・売電価格、設置費用が下がった2017年度は利益が出やすい
・2012年度に比べ、2017年度の利回りが30%増
つまり、売電価格が高かった2012年度より、太陽光発電事業を実施しようと考えの方にとっては、施工価格が下がってきた2017年度の方がチャンスです!
3 太陽光発電事業はこのような方に向いている
いままでは、法人でも節税目的で太陽光発電事業に参入される方が多くいました。
2016年度で言えば、生産性向上設備投資促進税制(50%償却又は4%税額控除)のうち50%償却を目的に太陽光発電所を購入し所有される方がいらっしゃいました。
しかし、生産性向上設備投資促進税制も2016年度で終了し、2017年度は太陽光発電事業で利用できる税制は無くなってしまいました。
これからは、節税ではなく、太陽光発電を事業として検討し参入してくる、法人、個人の方が増えてくると考えられます。
では、太陽光発電事業はいったいどのような方に向いていると言えるのでしょう?
今回はどのような方、あるいは法人に向いているか説明していきます。
3-1 賃貸アパートや賃貸マンションをしている大家さん
太陽光発電事業をお考えの方で多いのが、大家さんです。
大家さんはすでにアパートやマンションを所有されていています。
所有されているアパート、マンションの屋根に太陽光パネルを設置し、新たに事業を始めようと考えている方が増えています。
屋根があるので、余っているスペースに太陽光を設置しようというのは賢い選択です。
アパートや、マンションは一般住宅と比べると屋根が広いため、割と太陽光パネルを敷き詰めることができ、10kW以上の全量売電(全量買取制度)で事業を始めることも可能です。
ぜひ、アパートやマンションを所有されている大家さんは、太陽光発電事業を考えて見られてはいかがでしょうか?
また、アパートやマンションを所有し、賃貸で利益を上げられている方のほとんどは、融資を受けておられます。そのため、太陽光発電事業を始めようと思った際も融資を受けやすくなります。
さらに最近では、金融機関から不動産関連への融資額が大きくなり、金融庁から各金融機関に不動産関連の融資を制限するように通達がでました。
そのため、今後ますます、不動産への融資が厳しくなってきます。
そういったこともあり、最近では、太陽光発電事業への融資が付きやすくなってきています。
融資の観点からも太陽光発電事業への参入はチャンスです!
融資に関しては、こちらの記事が参考になります。
3-2 現事業の利回りが低く新規事業をお考えの方
現在事業をされていて、利回りが低く今後が非常に不安という方、その様な方に太陽光発電事業はお勧めです。
しっかりとした知識をつけることで、利益を上げることは十分に可能です。
先ほどもお話ししたように、自分で設置した場合、分譲案件を購入した場合でも、利回りは10%ほど確保できるのが、現在の太陽光発電事業の現状です。
今後、不安と考えておられる事業者の方は、ぜひ太陽光発電事業をご検討ください!
太陽光発電に関する、相談は以下のサイトが参考になります。ぜひ気軽にご相談ください。
・再エネでエネルギー自給率200%を実現する太陽光発電ムラ Facebookグループ
3-3 サラリーマン
太陽光発電事業で一番多いプレイヤーはサラリーマンです。
住宅ローンが残っていても、近隣で1基目であれば比較的簡単に資金調達が出来ているようです。
また、初心者でも金融機関から融資を引き出すことができたという事例も多々あります。
実際に融資を引き出すことが出来たという事例は以下になります。
ぜひ参考にしてみてください。
3-4 土地を持っている法人 林業など(土地を担保に融資)
どのような事業でもいえることですが、まず事業を始める際は、なんといってもお金が必要となります。
銀行やその他の金融機関を周ると、担保があった方が、融資が付きやすく有利になります。
例えば、林業をされていて土地を持っている方や、農業をされていて田んぼや畑などの土地を持っておられる方は融資を引き出しやすく、有利になります。
その様な方で、太陽光発電事業を考えておられる場合は、ぜひ金融機関に話だけでもしてみてはいかがでしょうか?
太陽光発電ムラ市場では、融資を有利に引き出すための相談も受け付けています。
是非利用してみてください!
・【融資相談】低圧太陽光発電向け 元銀行マンが教える太陽光発電融資の通し方!
4 まとめ
太陽光発電事業は、他の事業と比べて始めやすく、利益もしっかり出すことができ、利回りも十分確保できるということが分かっていただけたのではないでしょうか。
それでも、初めての方にはわからない事があります。
その様な方は、以下のグループに参加されるか、または「太陽光発電ムラ市場」にお気軽に問い合わせいただければ、いつでもご相談に乗ります。お気軽にどうぞ!
・再エネでエネルギー自給率200%を実現する太陽光発電ムラ Facebookグループ